Story 5 ページ6
私がバレーを嫌いになったのは、中学2年の冬
中3の先輩が引退してから初めての大きな大会だった
身長は小さくても、レシーブだけは負けたくなかった
その中学でも推薦してもらって
入学してからすぐレギュラーになった
それが気に食わない人がいるのはわかっていた
その時も決勝戦まで勝ち上がっていた
強豪だったし、勝つのは当たり前だと思われてるけど
勝ち上がって来れたのは、
相手がミスをするまで私が繋いだのが8割
自分たちで得点したのは2割くらいだと思う
準決勝の時点で膝に違和感を感じてた
それを無視して決勝に挑んだのは、私が悪いけど…
あの時、監督に相談してたら…
私はまだバレーを好きだったのかな…
結果から言うと、その試合には負けた
私がレシーブを上手く出来なかったせいで
試合が終わった後、チームメイトには責められた
「なんでちゃんとレシーブしてくれないの？」
「膝が痛かったなら、なんで試合に出たの？」
わかってるよ…私も悪いのはわかってる…
でもなんで…？
それって全部私が悪いのかな…
チームメイトは真面目に練習もしていなかった
監督も別のことで忙しかったみたいだし
大会前、部内の空気が緩んでたのはわかってた
才能があるわけでもなく
努力を積み重ねるわけでもなく
何の練習もしなかったチームメイトに利用されていた
そのことに気づいたのは、もう少し時間が経ってから
病院に行くと、膝靭帯損傷と診断された
その日からバレーが出来なくなった
4週間、リハビリをして
激しい運動を除いて歩けるくらいには回復した
医者にはバレーをやめろと言われた
でも私はバレーが好きだったから
バレーに関わる何かをしていたかったから
大会後、初めて部活に顔を出した
しばらくはドリンクを作ったり、
スコアシートを書いたり、
マネージャーという立ち位置で関わっていた
でもいつからか…
「Aって頑張ってくれてるけど、正直ウザいよね」
「わかる、下手くそのくせに、とか思ってそう」
「リベロだった時も、捨てれば良いボールまで拾って」
「＿＿ずっと“迷惑”だったんだよね」
その言葉を聞いて、
私はただチームメイトに利用されていただけで、
努力も邪魔にもなっていたことを知った
それからバレーが嫌いになった
努力は報われない
それどころか、誰かにとっては迷惑だったから
私はもう何かを頑張るのをやめた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
えっと、夢主の過去…的なやつです
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作者名：梨羽 | 作成日時：2024年1月9日 19時
