アイツがバレーを嫌う理由。 (ページ12)

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Story 11 ページ12

そして合宿当日
只今午前3時10分です

本当は3時に出る予定だったんだけどね…

実は英くんと金田一くんがまだ来てなくて
多分寝坊だろうって言ってるけど…

及「じゃあ今のうちに席決めとこっか」
岩「そうだな」
花「俺、松の隣で〜」

兄さん達は想定内だったのか、
気にすることなく席を決めている

一くんも何も言わないの…！？

及「Aは俺の隣だよね」
松「嫌なことは嫌って言わないと、ね？Aちゃん」

勝手に話を進められて
私の席が兄さんか、一くんの隣になりそう
出来れば…一くんが…

『私は…一くんの隣が、良いかな』
及「嘘でしょ！？Aが岩ちゃんの隣！？」
岩「クソ川ざまぁ」

悔しがる兄さんと、それを嘲笑う一くん
私はどういう気持ちでこれを見てれば良いんだ…？

今回の合宿は
試合に出る予定の選手しか連れて行かないらしい

3年生は兄さん、一くん、松川先輩、花巻先輩
2年生は渡先輩と矢巾先輩、1年生は英くんと金田一くん
あと監督とコーチ、マネージャー(仮)で私

参加校はうちの他に烏野高校、音駒高校、梟谷高校

事前に調べたけど…烏野は圧倒的に情報がない
音駒はしなやかなレシーブが武器
あと梟谷はエース木兎光太郎を中心に攻撃に長けている

私的には音駒が興味あるなぁ…
いや、でももうバレーはやらないって決めたし

金「すみません！遅れました！」

しばらく経って、英くんを引っ張る金田一くんが来た
英くん、明らかに不機嫌そうなんだけど…

矢「遅いぞ一年」
渡「矢巾も遅刻してたよね？」
矢「…うっ」

監督もコーチも、もう呆れている

岩「じゃあ全員揃ったな」
コ「お前ら、遅すぎだよ…」

その後兄さんが仕切って、
やっと予定の30分後に学校を出発した
監督とコーチ、本当にごめんなさい

ここから東京まで5時間弱かかるらしい
たまに休憩もするから、結局到着は9時くらい？

走り出して10分くらい経った頃
隣からずっと視線を感じる…

『どうしたの？』
岩「A、寝てても良いんだからな」
『いや…大丈夫…』

大丈夫と言ったものの、
私はもう意識を保つので精一杯だった

ややロングスリーパー傾向なんだけど…
参加校の特徴とかも調べたかったし
まとめると、ただの自業自得だ

岩「寝なくても良いから、目だけでも閉じとけ」
『…んん〜』

一くんの言葉にちゃんと返答できない

結局そのまま目を閉じて、意識を手放した
次に目を開けたのは合宿場だった