惹かれるもの 2 /項翼 (リク) ページ8
▫
Aのことが惜しいが、とりあえず今は退却が先だ。
退却しながら項翼は追いかけくる信へ矢を放つ。が、あっさりと剣で受け止められてしまい大した痛手を与えられない。
飛信隊の信の後方からはAも駆けてくる。
「おい、ひょれェなオイ！」
「うるせぇバカにすんな！」
「(似た者同士…)」
Aは二人のやりとりに呆れてしまう。
「！」
Aはふと、先の方から誰かが駆けてくるのに気づく。楚の兵！
しかもあの構え…。
「信！！避けてっ！！」
「ぐあっ！」
弓は勢いよく信の剣へとぶつかり、Aの呼びかけは間に合わず信は落馬する。
「信！！」
今日はやたら呼びかけてばかりな気がする、とAは馬から降りて信へと駆け寄った。
楚兵たちは足を止めていた。
前方からきた楚兵は女と見間違うほど美しい顔立ちをしている。
「(…さっきの弓術、普通じゃない)」
この楚兵の実力は格が違う。なんという正確さなのか。
「白麗、そいつが飛信隊の信だ」
「何っ」
白麗と呼ばれた将は信へと向く。そして隣にいるAへと視線を移した。
それがわかったのか、男は
「んで、その隣がA。俺の嫁さん候補」
「は？」
「ざけんな！！」
「……」
もうやだこの人…とAは現実逃避したくなる。美人な弓兵から同情の眼差しを感じるが無視だ無視。
呆れている間に二人は名乗る。
「俺は楚の�猴觜讚畧蘓余� 項翼だ」
そのまま隣の弓兵を指す。
「んでこいつは、最年少中華十弓の千人将 白麗」
「オイ、その言い方はやめろ」
弓兵ーーー白麗は少し嫌そうに言う。
「(中華十弓…なるほど)」
通りであの正確かつ重い矢を放つわけだ。
「君も弓を使うんだな」
Aの背から見える弓を見て、白麗はどことなく嬉しそうである。
「…飛信隊の副官の一人、Aです」
Aも流れで名乗ってしまう。どの道もうバレているのでどうでもいい。
信が尚も食い下がるが、Aは信を掴んで止める。
「もう、後で治療するからじっとしていて」
Aは立ち上がり項翼と白麗の2人と対峙する。
「�猖榿岫瓩乃�方たちを討ち取るだけです」
「へぇ…言うなァ」
項翼はAの戦線布告にニヤリと笑みを浮かべる。
益々欲しい。
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葵 - この話好きすぎて何回読んでも飽きません いきなりですがリクいいですか？政の妹で信と蒙恬と王賁と貂ちゃんで絡んで欲しいです (2021年11月22日 10時) (
レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
識(プロフ) - なんかもう昌平君の話がもうたまらない！！！いつも読んでは感動しています！ (2021年5月31日 11時) (レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハミィ - リクエストです！桓騎将軍の話を書いて欲しいです！出来たらお願いします。どの話もとても面白いです！ (2020年9月9日 3時) (レス) id: b2c428b5bb (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴 - また慶舎書いてほしいです！激甘で！ (2020年8月11日 11時) (レス) id: fe4f65c6ae (このIDを非表示/違反報告)
midori(プロフ) - るーるるさん» 初めまして！るーるるさん、初コメントありがとうございます！作品を大好きだと言って頂けて、とっても嬉しいです！ リクエストもありがとうございます。輪虎、承りました！素敵なお話をお届けできるよう頑張ります！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 55b1e5ee37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：midori | 作成日時：2020年5月7日 14時
