惹かれるもの 1 /項翼 (リク) ページ7
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対岸の楚軍とにらみ合いが続く中、十日目に始まった楚軍からの挑発行為。
そしてその三日目。
「…そろそろ我慢の限界、かな？」
信たちから離れて様子を見ていたA。
信の方を見れば厩で離れると言って立ち上がっていた。
「はぁ…」
Aがため息をつくとほぼ同時に、信は勢いよく飛び降りていく。
ガキンッ！！と剣が衝突する音が響いた。
「なっ」
信の一撃を後ろ向きで止めた？
「河了貂！私も降りるからあとを頼む！」
同じように下を見下ろしていた河了貂へ言い放つ。
「え！？A！」
河了貂の戸惑いの声を背に聞き流しながら、Aは自分の馬の元へ走り出した。
既に下では楚の将と信が打ち合っており、離れた場所でも飛信隊と楚軍がぶつかっていた。
ただ、お互いを殺すような攻撃ではない。そんなことをすれば戦争になるからだ。
「信！！そこまでにして！」
Aは馬で駆け寄りながら大声で呼びかける。
「な、A！」
お前いつの間に、という言葉はAの表情を見て飲み込んだ。
お、怒っている…。
たらりと信は冷や汗をかいた。
信と打ち合っていた楚軍兵ーーー千人将・項翼は戦場に似つかわしくない女性の声にそちらへ向いた。
「…ヤベェ…綺麗だ…」
「あっ？！」
ぼそりと呟いた言葉は目の前の飛信隊の隊長・信に届いていたようで、信が苛立ちげにこちらを睨みつてくる。
項翼と信が睨み合っている間にAが追いつき、項翼へ剣を向ける。
「へぇ…秦国にはこんな美人のやつもいんのかよ」
飛信隊の信の隣に並んだAを項翼は観察する。
項翼が先程言った言葉はお世辞ではない。顔立ちが綺麗な人間は相棒で見慣れているはずなのに、自然と引きこまれる何か。
そして込み上げる感情。
ああ、欲しい。
ニヤリと笑みを浮かべ攻撃を仕掛けようとした時、
「！」
退却の鐘が聞こえてきて、項翼は内心舌打ちをする。
「なあ、そんなやつほっといて、楚に来いよ」
「……」
なんだそりゃ。
Aは思わず内心呆れた。どこの三流誘い文句なのだ。
「ふざけんな！Aは飛信隊の一員だ！！」
呆れて声が出ないAの代わりに、信が項翼へ怒鳴る。
「へぇ…Aって言うのか」
「あっ」
信は思わずしまった、と表情をする。
「今すぐ忘れろ！」
そう言いながら勢いよく項翼へ剣を振りかざす。
信の攻撃で馬上から落ちるも、仲間からの退却の言葉に項翼は仕方なく再び乗馬しその場を去り始める。
惹かれるもの 2 /項翼 (リク)→←過去の囚われと(王騎) 3
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葵 - この話好きすぎて何回読んでも飽きません いきなりですがリクいいですか？政の妹で信と蒙恬と王賁と貂ちゃんで絡んで欲しいです (2021年11月22日 10時) (
レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
識(プロフ) - なんかもう昌平君の話がもうたまらない！！！いつも読んでは感動しています！ (2021年5月31日 11時) (レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハミィ - リクエストです！桓騎将軍の話を書いて欲しいです！出来たらお願いします。どの話もとても面白いです！ (2020年9月9日 3時) (レス) id: b2c428b5bb (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴 - また慶舎書いてほしいです！激甘で！ (2020年8月11日 11時) (レス) id: fe4f65c6ae (このIDを非表示/違反報告)
midori(プロフ) - るーるるさん» 初めまして！るーるるさん、初コメントありがとうございます！作品を大好きだと言って頂けて、とっても嬉しいです！ リクエストもありがとうございます。輪虎、承りました！素敵なお話をお届けできるよう頑張ります！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 55b1e5ee37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：midori | 作成日時：2020年5月7日 14時
