意地悪な人 1/ 成恢(リク) ページ35
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韓将・Aは主のとある部屋に赴いて、思わず一歩後ずさりした。
「うっ…」
部屋に様々な大小のツボや鉢が置かれ、通常生活していればお目にかからないような代物多数。…長年使えている自分でさて驚くことがまだ増える。
「Aか」
部屋の奥から出てきたのは、Aの主である韓の将軍・成恢である。
昔は男も色を覚えるほどの美男子であったが、今は様々な毒の研究で見た目は様変わりしていた。
「以前仰られていた毒の結果が出ましたのでご報告に。……成恢様、また今回はなんとも…強烈ですね」
成恢の部下として色んな毒を見慣れているAでも、今回成恢が精製している薬は臭いが強烈だと感じた。素人ならば臭いだけで気絶していよう。
成恢はAから報告の書簡を受け取ると、「試すか？」と聞いてくる。
「いや、結構です」
Aはバッサリと断る。成恢の部下の中でも古参に入るAは、多少のこう言った言動も許されている。というよりも、Aだから成恢が許している。
成恢もAが断ることを見越していたのか、「冗談だ」と軽く笑って流した。
「例のものはもう少し材料の配分を変えた方が宜しいかと。あれではすぐに死にます」
「そうか…。わかった、少し変えてから作る」
「ハッ」
Aも成恢の部下として毒の精製に多少は付き合う。やっている事が事なので、成恢の部下でまともな者は少ない。何かしら異常をきたしている者多数。
その中でAは四肢や精神に何か異常があるとかではない。そのような毒を試すことを成恢自身が禁止していた。
毒の経過報告や材料の採取なども行うが、成恢軍として純粋に武の方で活躍している。
「A、これを飲んでみてくれ」
別々に作業を進めていた中、成恢が一つ小さな杯をAの前に差し出す。
覗き込めばそこには無色透明な色。香ってくる匂いは酒特有の香り。
ただ、相手は成恢である。ただの酒などではないことはAも問わずとも分かっていた。
「………念のため聞きますが、成恢様」
「なんだ」
「これは…もしや…」
如何にも怪しげな色味じゃない所が余計に怪しい。そういえばここ最近よく酒瓶が多数あったのはこの為か。
「お前の予想通りのものだ」
淡々としていることが多い成恢だが、Aは主が中々の意地悪者だと知っている。
たまにこの手の薬を試されることがあるが、久々に来たか…という心境である。さて、どうするべきか。
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葵 - この話好きすぎて何回読んでも飽きません いきなりですがリクいいですか？政の妹で信と蒙恬と王賁と貂ちゃんで絡んで欲しいです (2021年11月22日 10時) (
レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
識(プロフ) - なんかもう昌平君の話がもうたまらない！！！いつも読んでは感動しています！ (2021年5月31日 11時) (レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハミィ - リクエストです！桓騎将軍の話を書いて欲しいです！出来たらお願いします。どの話もとても面白いです！ (2020年9月9日 3時) (レス) id: b2c428b5bb (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴 - また慶舎書いてほしいです！激甘で！ (2020年8月11日 11時) (レス) id: fe4f65c6ae (このIDを非表示/違反報告)
midori(プロフ) - るーるるさん» 初めまして！るーるるさん、初コメントありがとうございます！作品を大好きだと言って頂けて、とっても嬉しいです！ リクエストもありがとうございます。輪虎、承りました！素敵なお話をお届けできるよう頑張ります！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 55b1e5ee37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：midori | 作成日時：2020年5月7日 14時
