甘える時間 (昌平君) 2 ページ11
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「……お、終わったーーー！！！」
翌日の朝。
根性と気力で大量の木簡を片付けたAは喜びの声を上げた。
「あれ？殿がいない」
部屋をキョロキョロと見渡すが見つからない。
「…終わったのか」
突然後ろから声がして振り返れば昌平君が部屋の入り口に立っていた。
チラリとAが片付けた木簡を見て、なぜか小さなため息をついた。
「処理能力があるのに、溜め込むのはお前の悪い癖だな」
「それほどでもー」
「褒めていない」
Aは必要な木簡を昌平君に渡す。昌平君はそれを隣の室に置いてきて、側の椅子に少々疲れたように座った。
「殿、お疲れのようですね」
「どこぞの部下が溜め込むからな」
「まあまあ」
上官と部下にしては気安い会話が繰り広げられる。
「A」
呼ばれたAは昌平君の側へ近寄る。
「頑張った褒美は欲しいか？」
「はい！」
元気よく返される返事に昌平君は笑う。
「来い」
その一言でAは悟り、次の瞬間勢いよく昌平君へ抱きついた。
上官と部下としての仕事の時間は終わり。ただの昌平君とAの、恋仲二人の僅かな時間となる。
「昌平君の匂いがする…」
そりゃ自分が抱きしめているのだから当然だが、昌平君はそこは突っ込みは特にせず己も恋人の温かな体温を感じていた。
大人しく屋敷で待つ女子ではないのがAである。戦争孤児となったAを拾い上げたのが昌平君だった。
屋敷に使える側仕えで終わらず、本人は武の才能を開花させ気づけば千人将になっていた。本人があまり出世欲がないのと少々不真面目さもありこの地位に留まっている。
けれど、それにどこか安堵している自分がいるのを昌平君はわかっていた。
上に上がればあがるほど、危険度もそれだけ増すし敵将たちから狙われやすい。
たださえ女武将といことで目立つAだ、それに彼女自身の魅力もある。男所帯の戦場で本人は気づかぬ内に周りを魅力しているのだ、勘弁して欲しい。
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葵 - この話好きすぎて何回読んでも飽きません いきなりですがリクいいですか？政の妹で信と蒙恬と王賁と貂ちゃんで絡んで欲しいです (2021年11月22日 10時) (
レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
識(プロフ) - なんかもう昌平君の話がもうたまらない！！！いつも読んでは感動しています！ (2021年5月31日 11時) (レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハミィ - リクエストです！桓騎将軍の話を書いて欲しいです！出来たらお願いします。どの話もとても面白いです！ (2020年9月9日 3時) (レス) id: b2c428b5bb (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴 - また慶舎書いてほしいです！激甘で！ (2020年8月11日 11時) (レス) id: fe4f65c6ae (このIDを非表示/違反報告)
midori(プロフ) - るーるるさん» 初めまして！るーるるさん、初コメントありがとうございます！作品を大好きだと言って頂けて、とっても嬉しいです！ リクエストもありがとうございます。輪虎、承りました！素敵なお話をお届けできるよう頑張ります！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 55b1e5ee37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：midori | 作成日時：2020年5月7日 14時
