瑞色涼想い 井上瑞稀&橋本涼

涼想い １２ ページ42

全てを、理解した。


…………え。


待って、これってまさか。


ー『カップルコンテストとか、出てみたいな〜』


朝、女子たちがキャーキャー騒いでいた理由。


そうだ。


これだったんだ。


……カップルコンテスト。


｢それじゃあー……赤坂さんから！｣


いつの間に？


涼勝手にエントリーしたの！？


ギャラリーの、期待した視線が突き刺さる。


う、うわぁ……何か一気に緊張してきた。


隣では、涼がワクワクしたように見てくるし。


｢あ、えーと……｣


好きなとこって。


ぜ、絶賛喧嘩中だし……。


しかし黙っているだけでは


もちろん進行しないワケで。


｢……そう言われると、どこだろう。｣


言葉を濁せば


会場がドッと笑いに包まれた。


その瞬間、耳で真っ赤になって。


も、もうやだ！


穴があったら入りたいって


まさに今だ。


｢なかなか塩対応な彼女ですね！
それでは、橋本くんいってみよう！｣


｢はい！えーと｣


横目で涼を盗み見すれば、照れくさそうに頭をかいていて。


……あ、これ。


緊張したときの、クセだ。


｢Aの好きなとこは
料理が得意で、字も綺麗で、女の子らしいとこ。
それから……
俺が失敗したらフォローしてくれるとこ、
落ち込んでるとき、何も聞かず励ましてくれるとこ。

あと


すぐに、ヤキモチ焼くとこ。｣

涼想い １３→←涼想い １１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す