瑞色涼想い 井上瑞稀&橋本涼

涼想い ３ ページ33

俺は好きなんだけどな。


かなり。


羽場ちゃんは、同じクラスの植田彩奈さんと最近付き合い初めて


とても微笑ましい。


植田さんは男子から人気の高いフワフワした感じの子で


二人とも雰囲気がよく似てる。


｢あ……じゃあ、あれは？｣


｢あれ？｣


｢ほら、文化祭でカップル限定イベントみたいなの無かったけ。｣


｢そんなのあるの！｣


思わず大きな声が出てしまい、慌ててボリュームダウン。


それに出れば


またAと仲良く出来るかな。


｢確かあった気がする……。
放送委員主催だし、彩奈に聞けばすぐわかると思う。｣


文化祭まであと少し。


Aを誘って、楽しい1日にするんだ。


俺らのクラスは、楽そうな駄菓子屋さんだし。


いつでも抜けられるはず。


……頑張ろ。


ー｢ダンボールまだある？｣


｢ガムテープ無くなりそう！｣


｢はさみ取ってー！｣


飛び交う声と、散乱する教室。


放課後こんなうるさいのって


きっと私たちのクラスだけ。


ただいま暇な人たち(と言ったら怒られそうだけど)で、文化祭の準備中。


1年にしてお化け屋敷を勝ち取ったため、最近夜遅くまで残ってる。


私も書道部を終わらせてから参加したり。


｢そっちどお？｣


｢もう少しだよ！｣


赤の絵の具でぐちゃぐちゃ飾り付け(？)をしていると


屈んで話しかけて来たのは、高橋優斗くん。

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