瑞色涼想い 井上瑞稀&橋本涼

瑞色 ４ ページ4

女子っていつもこんな良い匂いするの？


ワケわからない。


｢瑞稀って先輩のことどうも思わないの？｣


｢うん。｣


｢えー？
だってあんな近づいたら『俺のこと好きかも……』とか勘違いするモンじゃないのー？
あ！｣


口より脚を動かしてほしい。


｢先輩、瑞稀のこと好きだったりして。｣


｢は。｣


ちょっとくだらなかったため、並んでいた優斗を抜かす。


好きとか付き合うとか


興味ないし。


｢ちょ、置いてくなよー！｣


｢優斗遅いー。｣


｢てか瑞稀良い匂いする。
先輩ヤベェ。｣


恐ろしいことに、すんすんとジャージを嗅いできた優斗。


気持ち悪すぎる。


｢変態かよ。｣


｢瑞稀ー！｣


優斗の呼ぶ声を盛大に無視して、俺はスピードを上げて走り始めた。


ー『ジャージいつ返すの？』


『部活のときかな。』


『え、遅くね。
もし体育あったらどうするの？
先輩午後には返してくれると思ってるんじゃない？』


と言われましたので。


お昼前、2年生のフロアに来た。


物陰から様子を伺う俺はどう見ても怪しすぎる。


どうして学年が1つ違うだけでこうも緊張するのだろう。


4組の前には、まだ誰1人いない。


ドア開けるの、結構勇気いるんだよね。


はぁ、誰か出てこないかな。


そう思いウズウズしていると


タイミングバッチリに


｢次世界史だよね〜。｣


｢どうしよう眠い。｣


先輩と、友達が出てきた。

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