煮干しラーメン ページ9
.東
事務所に行くと視界がなんだか賑やかやった。
黒・赤・紫
のブラとパンツが部屋干しされていて
誰の？なんてまじまじと見ていたら
専務、やなくてAがニコニコしながら寄って来た。
ああ、コイツのか。
「まだおったんかお前」
「いますよ！専務ですもん」
よく見ると会長を抱いていて、会長もAに対して懐いてた。
しばらく事務所に来てなかった俺は、仕事の前や出先でよくAのその後を森田やスタッフから聞いていて、
ヤマネさんに簡単な家事を教えてもらい、会長のお世話係として事務所に住んでいるらしい。
毎回部屋は綺麗だし、猫の手も借りたいとはよく言うたもんで少なからず役には立っているようだ。
…そして服も。
あのパーカー１枚の姿から
なんやら女子アナのような清楚な格好をしていて
少し見惚れてしまうくらいには見違えていて。
「馬子にも衣装やな」
と言葉を紡いだ。
それよりもこの下着のセンス。
ありえんのやけど。
「森田が買うたん？これ」
「はい！着け方よくわからなくて、合ってますか？」
がばーっと、白いブラウスを腹からたくしあげて
俺に見せつけてくるA
ああもう、けしからんなコイツ。
「しまえアホ！そんなん人に見せんな」
「え、だって、あれ、
東ブクロさんいつも楽しそうに読んでます」
ぴっとAが指差す先には、週刊誌…の表紙に載る水着姿の女の子。
楽しそうにって、語弊があるやろ語弊が。
「あー、あれは水着なの、お前のは下着、見せちゃいけないの」
「そうですか…難しいですね」
ほんまは、
今日、仕事終わるの昼やったから
こいつを外にでも出してやろうかと思ってた。
…でもまだまだ、不安やな、常識がズレ過ぎている。
「あ、東ブクロさん、ごはん食べました？」
「人間みたいやな、まだやけど」
「カップ麺食べましょ！」
ルンルンとAはキッチンにある『煮干し出汁香る魚介ラーメン』と書かれた段ボールからカップ麺を取り出した。これも森田が買うたんかな。
そしてやっぱり煮干しなんやと少し笑ってしまった。
「いややわ昼飯カップ麺なんか」
「ええ、東ブクロさんが言ってたから。すごくおいしいですよ。」
スタッフが居ない時は気に入ってこれを食べているらしい。
慣れた手つきでケトルでお湯を沸かす姿は人間そのもの。
…確かに、
言うたな俺。
専務の前で麺啜りながら。
「A」
「なんですか？あ、東ブクロさんのも作りますよ！」
「…ほんまの、ちゃんとしたラーメン食べ行くか」
俺とAの初めての散歩が始まった。
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ぴぴ(プロフ) - まゆゆんさん» ありがとうございますー！すごく嬉しいお言葉(T_T)❤︎少しゆっくりになっちゃいますが気長にお待ちください☻ありがとうございます❤︎❤︎ (2022年9月12日 23時) (
レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話すごく大好きです！！更新楽しみにしてます🥰 (2022年9月11日 7時) (レス) @page18 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ(プロフ) - あんこさん» 読んでいただきありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです(T_T)❤︎ またよかったら覗きにきてくださいませ☻❤︎❤︎ (2022年8月18日 14時) (レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！！♡ (2022年8月18日 10時) (レス) id: 9c65f5d707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ | 作成日時：2022年8月18日 2時
