安全 ページ7
.東
「え？専務やろ、えらい綺麗になったなあ」
…ん？
ヤマネさんはどさっとAをソファに座らせる。
それはもう抱いていた猫を下ろす時のように
自然に。
「ブクロ、おい、どういうこと」
「俺もわからんて、なんで普通なんあの人」
コソコソとやりとりしていると
「…あんなー、どんだけ二人がいない間コイツの世話してると思ってん。」
と、俺らに割り込んできた。
「ヤマネさんー！やっと信じてくれた！」
「わかるわ、まんま専務やもん」
Aはヤマネさんをまた抱きしめた。
よしよしと撫でるこの画角は少しやらしい目で見てしまう。
ていうかこの彼の適応能力はなんだ？猫が人間になったなんておかしな話、理解力が半端じゃない。
「なんで人間になったん？」
このヤマネさんの質問はまだまだ信じられない俺たちが1番Aに聞きたい事だった。
「私は、飼い主になってくれた皆さんにお礼がしたくて、ずっと人間になれたらと思ってました。
きっかけはわからないですけど、人間になれた以上一緒にお仕事したいです。」
「いや、仕事は大丈夫、足りてるから」
結構鶴の恩返し的感動話をAが言うのに、ここはリアリストのヤマネさん。
「ええーー、じゃあどうしたらいいですか？」
泣きそうになるAに
「専務の仕事は疲れた俺らを癒す事やから、いつも通りでええんちゃう？」
と言うヤマネさん。
するとみるみる笑顔になっていくA。
あ、これ多分くる、来るな。
「東ブクロさん！こうですか？いつも通り！」
ガバッとまた抱きつかれて、すりすりと膝の上で俺に密着し始めるA。
「おまえ、あかんて！ヤマネさんもいいんすかこれで！」
「外で問題起こすよりはまあええやろ」
「確かに、安全やな」と頷く森田に、そういう事ちゃうやろと心の中でまたツッコんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴぴ(プロフ) - まゆゆんさん» ありがとうございますー！すごく嬉しいお言葉(T_T)❤︎少しゆっくりになっちゃいますが気長にお待ちください☻ありがとうございます❤︎❤︎ (2022年9月12日 23時) (
レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話すごく大好きです！！更新楽しみにしてます🥰 (2022年9月11日 7時) (レス) @page18 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ(プロフ) - あんこさん» 読んでいただきありがとうございます！！めちゃくちゃ嬉しいです(T_T)❤︎ またよかったら覗きにきてくださいませ☻❤︎❤︎ (2022年8月18日 14時) (レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！！♡ (2022年8月18日 10時) (レス) id: 9c65f5d707 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴぴ | 作成日時：2022年8月18日 2時
