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知らなかった ページ6
私と彼は眼鏡をかけPCを閉じれば水越と向かい合った。
柊「水越、今の話を聞いても、まだ坪井先生を疑うのか？」
その問いかけに水越は首を横に振る。
水越「…知らなかった、私の身体のことも、先生が苦しんでたことも何も知らなかった。」
柊「…なのにお前は、坪井先生に逆恨みをしてこの動画を撮った。」
水越「…どうしよう。そんな動画…どうしたらいいの…。」
「この動画はネットに流れてない。」
私のその言葉に俯かせていた頭を上げる水越。
「結城が動画を投稿する前に止めたの。」
―――――
結城が投稿する直前に彼はマイクに向かって話し出した。
柊「はいザンネーン。結城、今すぐ携帯持ってこい。」
―――――
水越は驚いたように結城の方を見た。
結城は立ち上がり前に出て水越の前に立った。
結城「…ごめん、黙ってるように言われて。」
水越「…なんだ…よかった。」
そう呟きながら座り込む水越に眉間に皺が寄るのがわかる。
それと同時にどこか張り詰めていた教室の空気が一瞬緩む。
しかし彼は水越に蹴りを入れた。
柊「…なにがよかったんだ。」
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作者名：優しい歌 | 作成日時：2019年4月9日 18時
