You're my hero.４ (ページ26)

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ジャッジページ26

私は朦朧とする意識の中で口を開いた。

　「…瀬尾、君のゴールはどこ？スポーツ推薦で、大学に入ること？それとも大学を卒業しても選手を続けること？」

瀬尾「…知らねぇよ。…目の前のことにいっぱいいっぱいで、考えたこともねぇよ。」

柊「そっか…お前たちはそれでいい。」

そう言って彼は立ち上がる。瀬尾と、生徒と、まっすぐ向かい合うために。

柊「だが、教師はそうはいかない。…お前たちに、頼みがある。俺という人間を、AAという人間を、ジャッジしてくれないか…？」

彼はそう言いながら生徒たちを見回した。
そこで私の意識は途切れ、ブラックアウトした。

Side I.T.

　「ネットでは、９月２５日にテレビ出演された貴方の衣装がこの動画の格好と同じじゃないかと…」

武智「だから僕じゃないって言ってるでしょう？それともこれが証拠になるんですか？」

そこに武智先生の携帯が鳴り響く。
柊からの着信だ。

武智「はい。…え？」

此奴が罪を自白するまで、あと少し。

Side H.I.

倒れた彼女の頭を撫でる。頭に巻いた包帯はとても痛々しいものだ。
第一校舎の昇降口に武智大和を呼び出す電話をかけ終えると、彼女が身じろぐ。
ゆっくりと開かれた目をこちらに向けると焦点が合い始めたのかゆっくり口元を緩ませた。
年相応のその幼さ混じる笑みはとても可愛らしく、俺は手を伸ばし頬を撫でた。

　「傷は、痛むか？」

貴方「ううん、もう平気。」

　「悪かった、守ってやれなくて…。」

貴方「一颯が無事でよかったよ。」

彼女はそういう人間だった。
そんな彼女だから、俺は守りたい。

　「20:00に武智先生を昇降口に呼び出した。行くか？」

貴方「勿論。」

俺は立ち上がり手を伸ばすと、彼女はその手を取りしっかりと握りしめてくれる。
ゆっくりと立ち上がれば念のために薬を飲ませた。
勿論自分の分も忘れずに。
武智大和がすべての罪を自白するまで、あと少し。