You're my hero.４ (ページ25)

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簡単に言わないでページ25

諏訪「あんたたち何やってるかわかってんの？」

秋庭「もう限界なの！帰りたいの！」

瀬尾「武智は何もやってない！あんたたちがそう決めつけてるだけだ！」

私は必死に手を伸ばし、PCに触る立野を止めるが思うように力が入らない。
そこに騒ぎを聞きつけた甲斐や須永、中尾たちがやってきて瀬尾、光永、兵頭を彼から引き剥がし、立野をPCから離した。

須永「大丈夫か？」

　「…なんとか。」

そう言って口角を上げるけれど、私はうまく、笑えているだろうか。

瀬尾「…なんでこいつらの味方すんだよ…。おかしいだろ！」

甲斐「おかしいのはお前だろ！推薦取り消されんのがそんなに嫌かよ…？」

瀬尾「嫌に決まってんだろ？俺にはこれしかねぇんだよ。…やっと…やっと掴んだチャンスなんだよ！」

須永「…その推薦者が犯罪者でも同じ事言えんのかよ。」

須永は私から離れ、瀬尾に掴みかかる。

須永「武智は景山を追い詰めた犯人かもしれねぇんだぞ！…そんな奴からもらった推薦でもお前は喜んで行くのかよ。…今回はしょうがねぇだろ。お前なら、次があるって。」

魚住「…そんな簡単に言わないで。」

本人たちにしか、わからない苦しみ。葛藤。
当事者でない須永にはわかりえない、他の生徒にはわかりえない、瀬尾と魚住の思い。

魚住「…３年間、毎日必死に練習して、一生懸命努力して、それでもダメで！諦めかけてた時に声をかけてもらって、こんなチャンス二度とないって喜んで、なのに、また次があるなんて簡単に言わないでよ…。」

諦めかけていた彼らに希望の光をもたらしたのは他でもない武智の言葉だった。
彼らにとってはこれが大きなチャンスだから。
それを失うことは怖いはずだ。
目の前のことで精一杯の彼らだから。