You're my hero.４ (ページ1)

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正義のヒーローみたいに。ページ1

田中「真面目なやつでしたよ。アクションも演技も真摯に取り組んで、決して罪を犯すような人間じゃなかった。それこそ、世界を敵に回してでも誰かのために戦う、正義のヒーローみたいに。」

　「こうなっても、彼を信じるんですね。」

意外だった。相楽家で聴いた印象とはまるで別人だったからだ。

田中「もちろん。…あいつは筋が良くて、ちょうど俺も引退を考えてて、この次の作品で一颯に主役を譲ろうとしたんです。」

宮城「これですよね。ガルムフェニックス。」

そう言いながら宮城は携帯を見せる。

宮城「…でも主役は確かファイター田中さんでしたよね？」

田中「…ええ。あいつが演じられなくなって。」

　「それは、どうしてですか？」

田中「病気ですよ。癌です。それで、アクション俳優を諦めて、文香ちゃん…彼女と同じ教職の道を進むことになって…。」

　「…あ、今の、文香ちゃんって、おっしゃいましたけど、相楽文香さんのことですか？」

田中「ええ。」

　「彼女をご存知なんですか？」

そう聞くと彼は笑いながら当然のように答えた。

田中「ご存知も何も、社長の娘さんですから。」

　「社長…。」

それってまさか…。

田中「ここの撮影所の、社長ですよ。」

そう言って見せてもらったのは…

田中「相楽孝彦です。」

相楽孝彦の写真だった。
柊と相楽家に新たな繋がりが見えた。