You're my hero.３ (ページ8)

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彼女の想い、彼の想いページ8

―相変わらず好き勝手言ってるなぁ。
そう思いながら画面を見ていると、彼の携帯に着信が入る。
その画面には相楽文香の文字。
彼はそのスマホを置いてゆっくり息を吐いた。

柊「…しつこい刑事だなぁ。」

しかし、その着信が切れ、留守番電話に切り替わる
彼が恐る恐るそのメッセージを再生すると、そこから聞こえてきたのは女性特有の柔らかな声―文香さんだった。

文香「…文香です。久しぶり。」

聞こえてくる彼女の声に明らかに動揺しているのがわかる。
彼のジャケットを無意識に掴みながら、その声に耳を澄ませた。

文香「ニュースみました。もしかして、私のためにこんなことしてるのかなって…。もしそうならやめて？…お願い、貴方を苦しめたくないの。」

―文香さんは、涙声になりながらそうメッセージを入れていた。
嗚呼本当に彼女は、彼のことが大切だったんだなぁって思うし、同時に彼も、彼女のことが大切だったのだと改めて実感させられた。

柊「…俺のためだよ。俺自身のために戦ってるんだ。」

そう言いながら痛みに悶えれば薬を取り出し飲む彼の肩に額を押し付ける。
骨ばった彼の暖かな手が私の頭に乗れば、ゆっくりと後ろから腕を回した。
どれだけ彼に自分が溺れているのかを、改めて感じる。
私は彼の傍で、一番近くで、この事件を見守って、支えていくんだ。