仲間になったつもりはない ページ41
言いたいことをいい終えれば私も彼も眼鏡を外す。
私はブラウスに引っ掛け、前の方へと歩いて彼の隣に立った。
柊「さぁ、盛り上がって行こうか！」
彼のその言葉に私は口角を上げてみんなを見回した。
そして彼は武智へと電話をかける。
武智「柊先生？」
柊「おはようございます。他の先生にも聞こえるようにしてもらえますか？」
そういうと彼はイヤホンを渡してくれて、私にも聞こえるようにしてくれた。
柊「皆さん、先日は突然のカミングアウトに驚かれたことと思います。」
坪井「お前何考えてんだ、あんなデマ流しやがって！」
「デマではありません。先生方の中に景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼をした犯人がいます。添付した顧客リストの画像もご覧になったはずですよ？」
森崎「Aさん…。」
武智「あんなもの信じるわけないでしょ。」
佐久間「そうですよ、我々の中に犯人がいるわけないじゃないですか！」
柊「僕もそう思いたかったですよ。そこで今回は皆さんに課題を与えたいと思います。」
そう話しながら彼は教室全体を見回した。
市村「課題？」
「景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼をしたhunterは20:00までに名乗り出てください。名乗り出なかった場合、教室を爆破します。」
その言葉に目の前の生徒たちはざわつきだす。
市村「何言ってんだ！」
柊「生徒の命は教師の皆さんにかかっています。良い知らせを待っていますよ。では。」
そう言って彼は通話を切る。
私はイヤホンを外して、前を向き口角を上げた。
茅野「…今のどういうことですか？」
柊「言った通りだ。Hunterなる人物が名乗りでなければ教室を爆破する。」
石倉「俺たちはもちろん避難…できるんだよな？」
私たちはその問いかけに何も言わない。
兵頭「何黙ってんだよ。俺たち手組んだんじゃねぇのかよ！」
「勘違いしないで。君たちと仲間になったつもりはない。私たちがみんなに協力を求めたのは、真実を暴くために命を差し出してほしい、そう意味だよ。」
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作者名：優しい歌 | 作成日時：2019年4月5日 17時
