You're my hero.３ (ページ31)

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お前は間違ってないページ31

茅野「…笑えるわけないよ。」

諏訪の心からの叫びに、答えたのは茅野だった。

茅野「後戻りできないから進むしかない。あんなツラそうな顔で言われたら、笑えるわけないよ。」

きっと俺が気を失っている間に、2人の間に何かがあったんだろう。

　「諏訪」

諏訪「なんだよ！」

　「お前は間違ってない。」

―その生き方も、考え方も、諏訪が今まで生きてきた証だから。

　「みんな、お前と一緒だよ。迷って、もがいて、途方に暮れて、それでも、正解を求めて前を向く。進んで、進んで、ダメなら、傷つきながら引き返す。で、また歯を食いしばって、前を向く。…みんなみっともないんだよ。でも、それでいい。それがいい！恥を繰り返して、強くなるんだよ。っていうか、恥もかかずに強くなれると思うな！だから、諏訪、お前のこれまでは、誰がなんと言おうと、絶対に間違ってない！」

誰しもが抱くものだから、間違っているなんて思わない。
迷いながら、苦しみながら、もがきながらみんな生きているんだから。
諏訪はその大きな瞳から涙をこぼし続けていた。
そして、その手にポケットから取り出したネックレスを握ると思い切り床に叩きつけた。
その中に入っているのは、マイクロチップ。

諏訪「…喜志からは何も聞かされてないけど、気になって開けてみたらこれが入ってて…多分、重要な何かだと思う。」

ようやくまた、一つ証拠をつかむことができた。
俺はそれを拾うと確りと諏訪を見つめた。

　「お前の想い、受け取ったからな。…逢沢。」

PCを持ってこさせるとPCにマイクロチップを入れる。
諏訪の肩を抱き引き寄せれば画面を見させた。

逢沢「これは…？」

　「フェイク動画の顧客リストだ。この中に、景山を陥れようとした人物がいる。」

俺はスクロールさせながらそう話す。目的の名前を見つければ準備室の方へと足を運んだ。

茅野「ちょっと待って…これ見て！」

その言葉を背にしながら。