お目付役 ページ21
宇佐美「なんで逢沢が…？」
逢沢「僕は先生に頼まれてみんなのお目付役として動向を見守ってきたんだ。先生とAは自分たちに万が一のことがあったら僕に託すと言っていた。だから先生たちが回復するまで、僕が代わりに役目を果たす。」
そう言ってのける逢沢に甲斐が挑発するように近付く。
甲斐「いやいや、お前そんなに景山のことが好きだったのかよ。」
逢沢「そうじゃない、僕はただ真実が知りたかっただけだ。彼女をずっと撮ってきたのに助けることができなかった、だから…。」
背後から石倉と須永に取り押さえられる逢沢。
甲斐は逢沢の手首につけられた起爆装置を取り上げ見下ろした。
甲斐「お前に殺しはできねぇ。だから躊躇する必要もねぇ。」
そう言って甲斐は躊躇することもなく、逢沢を殴りPCを持ってきた。
甲斐「お前ならロッカーも床の扉も開けられるよな？…解除方法を教えろ。」
その言葉を聞けばゆっくり息を吐いて背後から手を叩きながら笑みを向けた。
「ナイスチームワークだね、甲斐軍団。」
甲斐「A…。」
「でも、私は爆破させるのに躊躇はしないよ？」
そう言いながら笑みを深めれば全員が私から距離をとる。
ゆっくりと歩を進め、逢沢に近寄れば腰を下ろした。
逢沢「ごめん…。」
「いいよ。もう、第一幕も完結するから。」
そう告げればゆっくりと振り向き甲斐を見据える。
「ちょっと早いけど、床の扉もロッカーも開ける。だけど、準備室には入ってこないで。それが守れるなら、爆破はしない。」
甲斐はその言葉に躊躇するも、ゆっくり頷けば私にPCを渡した。
解除し、荷物を渡して中尾たちを外に出す。
驚いてはいたが、計画のうちにこれも入っている。
みんなは携帯を手にして外との連絡を図る。
私は、PCの画面でMIND VOICEを見つめる。
凛ちゃん先生が倒れたんです
里見たちが上に上がってくればみんなが駆け寄る。
けれど、その神妙な面持ちにどこかただならぬ雰囲気を感じている様子。
兵頭「なんだよその顔。」
里見「みんなに話がある。」
里見のその一声で、静まり返る。
里見「ここに、残ってくれないか。」
石倉「お前何言ってんだよ。」
西崎「先生と一緒に、このまま学校に立てこもって欲しいんだ。」
兵頭「どうした、頭でも打ったか？」
堀部「いや、先生たちは、私たちのために、こんな事件を起こしたの。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優しい歌 | 作成日時：2019年4月5日 17時
