俺を信じろ ページ16
甲斐は再度頂垂れる。
「動画を加工したのは、誰？」
甲斐「…いえねぇ。」
石倉「甲斐！」
甲斐「言ったら何されるかわかんねぇんだよ。…俺がバラしたら、俺の家族が！」
柊「俺がなんとかする。…だから俺を信じろ。」
甲斐「…人殺しを信じろっていうのかよ。」
そこに走ってきたのは、茅野。きっと隣の美術室に行っていたんだ。
茅野「信じてもいいと思う。先生とAは、きっと誰も殺してない。」
諏訪「…どういうこと？」
その言葉に一気に茅野へと視線が集中する。
茅野「昨日下から声がしてそれがずっと気になってたから隙を見て美術室を見てきたの。」
水越「…それ本当？蓮が生きてるの？」
その言葉を聞きながら私は静かに教卓の後ろに蹲る。
最悪だ、このタイミングで痛みがー
痛みを堪えながら私は会話を聞いていた。
茅野「うん、他のみんなも無事だって。…中尾くんが言ってた、先生とAは、私たちのためにこんなことしてるんだって。だから2人を信じてほしいって。」
甲斐「…だからって、1人の教師がどうこうできる問題じゃねぇんだよ。相手は…」
柊「ベルムズなんだろ？」
甲斐「…なんでそれを。」
私はゆっくりと立ち上がりながら教室後方を見つめる。
魚住「…ベルムズって何？」
須永「この界隈を仕切ってる半グレ集団だ。」
柊「ベルムズのKに景山の弱みになるような動画を撮るよう言われたんだろ？お前は、Kの正体を知ってる。」
魚住「Kって？」
須永「…ベルムズのリーダーだ。でもその正体は一部の人間しか知らない。」
柊「甲斐、お前は1人じゃない。俺が、必ずなんとかする。」
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作者名：優しい歌 | 作成日時：2019年4月5日 17時
