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というより、保護者って……。私一応新卒の社会人なんだけれど……。

「私、こんな街……知りません……」
「は?」
「だってあんな怪獣みたいな生き物、映画でしか見たことありませんし、こんなところ、来たことありませんっ……ここは一体どこですか?何県?関東ですか?」
「……どこって、ここは……Z市だぜ」
「ぜっ……と…?」

 Z市?座間市とかってこと?この期に及んで変な略し方しないで頂きたい。ふざけているのかな。
「Z……、座間市とか、ですか?」
「ザマシ?いやZ市。……別にイニシャルとかじゃなくて、Z市」
「……、」

 知らない……。この人たち、何を言っているの?おかしくなってしまったのだろうか、いや、私が変?
「と、東京……は、ご存知、ですよね……」
「トーキョ?なんだそれ」
「この女、先生をはめる気では?」
「え、そういうやつには見えんけど」
「実は怪人で、人間の女のフリをし、先生が油断した隙に……」

「ひゃ、」
「ちょ、おい」

 突然ジェノス?さんに、腕を拘束され、両腕が動かなくなる。
「い、いた……」
「ジェノス……お前女相手に容赦ねえな……」
「答えろ。……お前怪人だろう?」
「ち、ちが……」
 痛い。なに、この人。もう、いやだ……。何で私、こんな目に遇わなくちゃいけないの?

「おい、とりあえず手ェ離したら。怪人じゃなかったら、お前かなりの外道だぞ」
「しかし……」
「いいからやめろ。怪人なら、あとでぶっ殺せばいい。ヒーローの本来の目的ってのは、市民を守ることだろ。こいつがただの女だったとしたら、これじゃ本末転倒だ」
「先生……。はいっ、先生!」
 途端に拘束された腕がほどかれ、ビシッ!という効果音が付きそうな勢いで、ジェノスさんが敬礼した。

 この二人はどういう関係なのだろうか。

「オマエ全然怪人には見えないしなー。家出なんて、みっともねえことやめて、両親のいるとこに帰った方がいい。高校生だかわかんねえけど、別に…」
「違います」
「……え?」
「成人してます」
「……え、…。あ、そうだったんだ」

 あ、と固まったサイタマさん。ちらりと隣のジェノスさんを見る。
「子供かと思ったら違うじゃねえかジェノス」
「……どう見てもこの女は学生だ。やはり怪人…」
「失礼だぞ」

 よく聞こえないけれど、ヒソヒソと何やら失礼なことを言い合っている二人に思わず私は顔をしかめる。

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作者名:アユミ | 作成日時:2019年5月9日 2時

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