【ワンパンマン】ヒーローとカノジョ？ (ページ18)

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「さーな。実のところ、オレもよく分かっていない。元は人間だった奴らもいるし、何せ宇宙からやってきてるからなあ。地球以外の星に生物がいたっておかしくはないし、そいつらが地球にやってくるのも何らおかしくはない」
「も、元は人間だった…」
「まあ何のきっかけで怪人に目覚めるかってのは人それぞれだから一概には言えんけど」
「そうですか…」
　怪人の話が出て、いささか不安そうな顔をするA。無理もない。今までこんな世界とは無縁の場所にいたんだもんだ。オレだって怪人なんて存在知らなかったら普通にビビるし怖いわ。
「じゃあ、その怪人たちとたたかうためにヒーローが？」
「あぁ」
　オレはそこで軽くヒーロー協会のことについても説明した。そこにオレやジェノスが入っていることも、オレたちがヒーローとして活動していることも。なんだか癪なので、ジェノスがイケメンヒーロー5本指に入るということは伏せておいた。
「わぁ、ジェノスさんすごい。Ｓ級ってそんなに強いヒーローランクを…」
「先生はオレよりも強い」
「…あ、そうですよね。そんな気がします」
　彼女はオレを見て頷いた。ジェノスよりも強い、と人に言われたのは初めてのことだった。
「あ、えとジェノスさんがお強くないとかではなくて」
「オレは先生の足元にも及ばない。周知のことだ」
「…そうですか」
　要するにジェノスは、それくらいで謝るな、と言っているつもりなんだろうが、上手くAには伝わっていないようだった。ジェノスは少し言葉足らずなところもあるからな。っていうか、ジェノスと女の組み合わせって珍しい。復讐に人生を注ぐコイツが、あんまり女子と絡んでいるところは見たことないもんな。

「あの、ジェノスさんって…その…」
　ふいに口を開いたA。ちらりとジェノスに視線を飛ばし、それはオレの元へ飛んでくる。
「サイボーグって、ホントですか…？」
「あぁ」
　一応仲直りしたとはいえ、さっきまでちょっと喧嘩してたもんなこの二人。Aはジェノスの過去に触れづらかったんだろうな。家族を失ったのも、怪人のせいだから。
「すごい…」
　じい、とAの視線がジェノスを追う。
「ここも、機械ですか？」
「あぁ」
「わ、なんだこれ…」
「そこが外れてすげえビームが出んだぜ」
「ビーム！？」
「おい、もういいだろう」
　オレたち二人にまじまじと見られ、ジェノスは鬱陶しそうな顔をする。
しかし、なんにでも興味を示すなあAって。