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地鳴りのような排気音が青空に響いて行く。
見上げた空は、雲一つない快晴だった。
こんなにも綺麗な空なら――
「……よく見えてんだろうな」
バイクの後部座席で呟いた十座の声は、両脇を駆け抜けていく風音に掻き消されたように思う。Aはハンドルを握ったまま、空を見上げる十座の様子など気にも留めて居ないようだ。
本来であれば、あのままバイクの後ろに彼女を乗せて、どこか遠い場所に連れ去りたい気分だった。誰にも邪魔されない、空の上の『元恋人』にも見えないところで、彼女を独り占めしたかった。
けれど、まあ……
こうして見せつけてやるのも悪くはない。
ずっとずっと彼女を縛り続けていた男を、十座は鼻で笑ってやる。
決して、Aや親友を置いて先立ちたかった訳ではないだろう。
彼自身、たくさんの悔いを残しながら旅立っていったはずだ。
残された人達がそうだったように、那智だって――。
「はい。着いたよ」
暫く心地よい風を堪能した後、到着したのはMANKAI寮の前だった。
彼女はヘルメットを被ったまま、このまま帰る気などない十座を一瞥した。
「十座。明日、学校なんでしょ？」
そう言われてしまえば反論は出来ない。
彼女との時間を優先したいのは山々だが、学校をサボるなんて選択肢もないのだから。
「朝帰りはさせるなって言われてね。臣に」
臣は怒ったら怖いのだ、と。
Aは困ったような笑みを浮かべていた。
晴天 ページ27
地鳴りのような排気音が青空に響いて行く。
見上げた空は、雲一つない快晴だった。
こんなにも綺麗な空なら――
「……よく見えてんだろうな」
バイクの後部座席で呟いた十座の声は、両脇を駆け抜けていく風音に掻き消されたように思う。Aはハンドルを握ったまま、空を見上げる十座の様子など気にも留めて居ないようだ。
本来であれば、あのままバイクの後ろに彼女を乗せて、どこか遠い場所に連れ去りたい気分だった。誰にも邪魔されない、空の上の『元恋人』にも見えないところで、彼女を独り占めしたかった。
けれど、まあ……
こうして見せつけてやるのも悪くはない。
ずっとずっと彼女を縛り続けていた男を、十座は鼻で笑ってやる。
決して、Aや親友を置いて先立ちたかった訳ではないだろう。
彼自身、たくさんの悔いを残しながら旅立っていったはずだ。
残された人達がそうだったように、那智だって――。
「はい。着いたよ」
暫く心地よい風を堪能した後、到着したのはMANKAI寮の前だった。
彼女はヘルメットを被ったまま、このまま帰る気などない十座を一瞥した。
「十座。明日、学校なんでしょ？」
そう言われてしまえば反論は出来ない。
彼女との時間を優先したいのは山々だが、学校をサボるなんて選択肢もないのだから。
「朝帰りはさせるなって言われてね。臣に」
臣は怒ったら怖いのだ、と。
Aは困ったような笑みを浮かべていた。
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ちーずたると(プロフ) - 最後の台詞、テメェらがメテェらになっちゃってます…！折角良い作品なのに。更新お疲れ様でした。 (2018年1月20日 1時) (
レス) id: 16ae0bdd23 (このIDを非表示/違反報告)
黒ちん(プロフ) - コメ失礼します！めちゃくちゃドキドキしました！十座大好きなので本当に嬉しかったです！続き楽しみにしてますね！ (2018年1月14日 14時) (レス) id: 339ef6e82f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるち | 作成日時：2018年1月7日 1時
