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窓の外は、朝焼けに染まっていた。
徐々に明るみを増す空。
清々しい朝だ、と言いたいところだけれど……。
「グーッ……ガーッ……」
「ったく、煩いよー。十座」
隣で眠る彼の鼻をつまんでやる。
息苦しそうにもがく彼が可愛らしくて笑ってしまった。
あまりイジメてはいけないな、と指先を放した時。
彼は静まった寝息の隙間に、私の名前を呼ぶ。
「……A、さん」
顔を覗き込んでみるも、十座の瞼は閉じられたままだ。
「寝言、か……」
あんなにも酷い仕打ちをしたと言うのに。
彼はまだ、私の腕を掴もうと言うのだろうか。
彼氏の演技をして抱いてくれ、なんて。
那智の代わりになってくれ、なんて――
『止めておけ』
臣からの返事を見たのは、何もかもが終わった後だった。
押し寄せた罪悪感に、臣の言葉が重くのしかかる。
「ほんと、止めとけば良かった……」
無垢な寝顔に落ちる涙は、自分のエゴばかりが詰まったけがれた色。
「ゴメンね、十座。ゴメンっ、私……っ」
きっと、私が泣かずに昨日を過ごす方法なんて……無かったのだ。
* ページ15
窓の外は、朝焼けに染まっていた。
徐々に明るみを増す空。
清々しい朝だ、と言いたいところだけれど……。
「グーッ……ガーッ……」
「ったく、煩いよー。十座」
隣で眠る彼の鼻をつまんでやる。
息苦しそうにもがく彼が可愛らしくて笑ってしまった。
あまりイジメてはいけないな、と指先を放した時。
彼は静まった寝息の隙間に、私の名前を呼ぶ。
「……A、さん」
顔を覗き込んでみるも、十座の瞼は閉じられたままだ。
「寝言、か……」
あんなにも酷い仕打ちをしたと言うのに。
彼はまだ、私の腕を掴もうと言うのだろうか。
彼氏の演技をして抱いてくれ、なんて。
那智の代わりになってくれ、なんて――
『止めておけ』
臣からの返事を見たのは、何もかもが終わった後だった。
押し寄せた罪悪感に、臣の言葉が重くのしかかる。
「ほんと、止めとけば良かった……」
無垢な寝顔に落ちる涙は、自分のエゴばかりが詰まったけがれた色。
「ゴメンね、十座。ゴメンっ、私……っ」
きっと、私が泣かずに昨日を過ごす方法なんて……無かったのだ。
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ちーずたると(プロフ) - 最後の台詞、テメェらがメテェらになっちゃってます…!折角良い作品なのに。更新お疲れ様でした。 (2018年1月20日 1時) (レス) id: 16ae0bdd23 (このIDを非表示/違反報告)
黒ちん(プロフ) - コメ失礼します!めちゃくちゃドキドキしました!十座大好きなので本当に嬉しかったです!続き楽しみにしてますね! (2018年1月14日 14時) (レス) id: 339ef6e82f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるち | 作成日時:2018年1月7日 1時