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黒尾side



新幹線。

あみだくじで当たった時は嬉しかったが

いざ隣に座ると意外と近くて
斜め後ろからは夜久にガン飛ばされてるし

隣のAは売店で買ったポッキーを早速あけて鼻歌まで歌ってる。


呑気だな。


『食べる?』

とポッキーを一本こっちに向けてくる。


黒「ん。」


そのままかじりつくと
目を丸くして少し顔を赤くした。


黒「え?違った?」


『いや、普通に手で受け取るのかと思ったから・・・』


あ、なるほどね。


俺まで恥ずかしくなって、Aと反対側に顔を背けると
また斜め後ろからの夜久のガン飛ばしが視界に入ってきて


もう寝ちまえ。

と目を瞑った。




たぶん1時間くらい経った。


あれから寝てたみたいだ。

周りからも声が聞こえなくなったから恐らくみんな寝てるんだろう。


ゆっくり瞼を開けて隣を確認すると


窓の外を眺めて、少し口角を上げてるA。



黒「楽しそうな顔すんのね、そんなに遠征待ち遠しかった?」


そう声をかけると驚いた顔をした。


最近のコイツはよく表情をころころ変える。


よく笑うようになったし、上手くいかないとしかめっ面をしたり、

入部した当初は人見知りで、馴染めるか心配になったけど、いつのまにかそんな心配はなくなっていて、


それよりもこの可愛さに同じ体育館で練習するバスケ部の奴らが目をハートにしてることとかの方が心配になってきてる。

いつか絶対声かけるつもりだろうな。


俺はその度にコイツにわざと話しかけて、
コイツは俺たちのだぞと言わんばかりにバスケ部を睨む。


当の本人は、

クロ、今日も頑張ってねとか呑気に応援してくれたりして、


同じ言葉をバスケ部の奴らに言ってるのを想像して
勝手にイライラしてる。



もうちょっと自分がモテることを解った方がいいと思う。



『クロ、ぼーっとしてる?まだ眠い?』



少し会話した後そんなことを考えてると、Aがそう言って俺の顔をのぞいてきた。



覗く時に髪の毛がパサっと揺れて前に落ちてきて
その髪の毛を耳にかける姿を見て




心臓が早くなる。



黒「・・・・ん、まだ眠いのかも」


と紛らわす為に伸びをしていると


『倒れてきても支えるよ?』


と自分の肩をポンポンと叩く。


そんな、いちいちの行動が可愛いと思ってしまうのは



妹みたいな感じで守ってやりたい対象だからなのか
それとも、、、、









まだ恋愛をしたことがない俺には判断が難しかった。

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ナナミ(プロフ) - 45話のところドコサエキサエン酸じゃなくてドコサヘキサエン酸ですよー (2021年4月26日 18時) (レス) id: a2f189df9f (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - え、好きです。天才でしょうか?文章作るのがお上手ですね! (2021年3月24日 17時) (レス) id: ac0a73c6af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mraka | 作成日時:2021年2月13日 22時

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