rain.10 ページ10
無一郎「良かった、忘れられてるかと」
漫画だったら、この人には
“ホッ”という文字が肩のあたりに
書かれていただろうな。
眉尻を下げ、安心しきった顔で
私を見つめてくる彼は
まだ出会って2回目なのに
どこか懐かしさを感じた。
A「職場…駅から近いんですか?」
駅から近かったらなんだ。
自分で振っておいて突っ込んでしまう
特になんてことない話題は、
目の前にいる彼と話したいからではなく
その場を繋ぐために持ち出した。
無一郎「あー…」
私の質問を聞いて、すぐに
何かを考えるような素振りを見せた彼。
名前も知らない、つい最近知り合った他人に
会社なんて教えたら
危ないとでも思われているのだろうか?
そんな事を考えていると
あっという間に私たちが初めて会った駅…
すなわち、職場の最寄り駅に着いてしまった。
無一郎「ごめんなさい、答える前に着いちゃいました」
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ゆっくり四つ葉 - 素晴らしい作品をありがとうございます!眼福です! (2020年9月2日 6時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:微力 | 作成日時:2020年6月15日 15時