rain.11 ページ11
A「いえ…」
なんて返事をすればよかったのだろうか。
改札まで方向が一緒だからか
彼は私の歩幅に合わせて少しゆっくり歩いている
平日の人が多いこの時間に
2人並んで歩くのは…と思っていたけれど
彼が気を遣ってくれているのだろうか
1人で歩いているときと同じように進めている。
無一郎「えーっと、南改札なんです」
A「雨宿りしていたところですよね」
歩きながら、思い出すような仕草をしながら
ゆっくりと説明してくれている彼の姿を見ていると
さっきのは教えたくないという事じゃなく
本当ににただただ思い出していただけなのか…
と、さっきまで疑っていた事を反省する。
無一郎「真っ直ぐ出て、右側に牛丼屋があるんですけど…」
少し上を向くと、一所懸命説明してくれている
彼の顔が間近にあって
間違いじゃないよ、と言わんばかりに
心臓が大きく鳴ってうるさい。
出会って2回目なのに、というか
一目惚れ…なんて本当に信じていいのだろうか?
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆっくり四つ葉 - 素晴らしい作品をありがとうございます!眼福です! (2020年9月2日 6時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:微力 | 作成日時:2020年6月15日 15時