守りたいモノ (ページ27)

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27:石川祐希ページ27

ちょっとモヤモヤした気持ちになったが

雑念を振り払い次々と料理を仕上げていく

『先輩!!そろそろ準備出来ますよ』

「マジ??やったー
めっちゃ腹ぺこ」

と、満面の笑みを浮かべる先輩が可愛い

「Aちゃんさぁ
石川祐希と同じチームに居たんでしょ??」

モグモグしながら先輩はシエナでの事を聞いてきた

はっ!!
初めて名前呼ばれたかも!!

突然の事にビックリして固まる

「おーい、聞いてる??
Aちゃんってホント不思議ちゃんだね。笑」

あっ…また呼んだ…

ん??不思議ちゃん??誰が??

シエナでの事を聞かれているのにどんどん頭の中で話がすり替わる

雑念しかない

一息ついて

『シエナに居ましたよ』

漸く、先輩に聞かれた事への返事をする

「どのくらい居たの？
祐希とは歳近い仲良かったんじゃない？」

『ん～シエナには1年位かな…
石川ｸﾝは短期留学だったし、普通??特別仲が良いって訳ではありませんでしたよ』

「そうなんだ
イタリアでの祐希はどんな感じ??」

『日本での石川ｸﾝのイメージが湧かないので比較するものが…』

そう…わたしは大学卒業してからこの3年ずっと海外で過ごしている

マサ先輩が出ていたW杯やテレビでの情報しかなかったから

”石川祐希”

が日本でどうだったのか知らない

『チームメイトによく弄られていましたよ。笑
人気者だったと思います』

わたしは本当にマサ先輩しか興味ないんだなぁ～って思うと笑えてしまう

なんで石川ｸﾝの事を聞くのだろうか

『マサ先輩は石川ｸﾝと仲良いんですか？』

「弟みたいな…ライバルでもあり親友…みたいな？笑」

照れくさそうに話している先輩をみて

石川ｸﾝが羨ましく思えた