思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】其の弐

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『あ、あ、あなた〜！！
待たせてしまってごめんなさいね！
つい温泉を堪能してしまって少し長居をしちゃって…
はぁ………私何だか逆上せてしまったみたいで………
ど、どどどうしましょうね……？』




杏寿郎「ごほっ………！」




小走りで杏寿郎に駆け寄り、腕を絡ませるとAはヤケクソで演技を始めた。




「は、はぁ？ 何よ、アンタ！
炎柱様が迷惑そうじゃないの！！
離れなさいよ…！
頭おかしいんじゃないの！」




『えっとですね……！
えぇっと……私…
(あぁぁ………最近見た小説を思い出すんだ……！
そう……最後に見たのは愛する妻に初恋の相手が現れて………)


わ、私はこの人の愛する妻でして…！！



………妻？
妻!???
あっ違う違う違う！！！
間違えた…！！ 今の無しで！

煉獄さん！ 大変です！
間違えました！！
え、私って何ですか？！！
っていうか何の話でしたか？！！』




杏寿郎「嘘だろう………。
君は本当どうなってるんだ………はぁ………」




「炎柱様………このような変な女に付き纏われて災難ですね………。
放っといて私の部屋に行きましょ！」





………部屋？





『お、お待ち下さい！！！
美人のお嬢さん！！
付き纏われてるのは私の方なんですよ…！？
私をそちらの部屋に泊まらせて下さい……！

お二人は気にせず元(・)私達の部屋へと行っ……、

って煉獄さん！？ お顔が大変な事に………！！！』



杏寿郎「………そうか。
その理由を俺達の部屋(・・・・・)で理解出来るまで存分に聞かせてやろう。


それとそこの君、
……今は妻では無いが、後に愛する妻となる婚約者と大事な話しがあるので俺と君が話すことは何一つ無い。
これでこの話は終いだな。
では失礼する」


「えっ…あ………はい……」



杏寿郎の怒りの圧に怯んだ隊士は引き留めることも出来ず、Aの手を引く杏寿郎の背中を見送るしか出来なかった。

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