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『…今なんと………?』
杏寿郎「む?
だから帰りに土産を買いに行こうかと思っている!」
『……………その後です』
杏寿郎「後……………?
欲しい物があれば言え、と……。
何かおかしな事でも言っただろうか?」
『な、な名前……………』
_________
_____
___
Aも欲しい物があれば遠慮なく言うと良い!!
ついさっき、帰り支度をしている最中に煉獄さんがそう言ったのだ。
“A”
………名前を呼んだと思えば、なんと呼び捨て。
そう、今まで名前で呼ばれた事は恐らくお見合いの日に一度だけ“Aさん”と声をかけられたような気がするけど、それ以外では無くて…いつも“君”と。
それなのに、今、名前で呼んだのだ。
重要なのでもう一度言うが、呼び捨てで。
よ…呼び捨て……………。
杏寿郎「名前………?
あ…あぁ! 名前か!
その、えーっと………婚約者なのだから親しみを込めて名前で呼ぼうと思って、だな!!
ふ、不快だったろうか!?」
何も言わないAに、急に呼び捨ては馴れ馴れしかったか? と杏寿郎は焦るが返事は無いまま。
Aは黙々と顔も見ずに荷物を纏めるとスタスタと部屋を出ようとした。
勿論このままに出来るハズも無く、杏寿郎はAが気を悪くしたのかと思い、すまない、と腕を掴み引き止めると、Aの様子は思ったものとはかけ離れていた。
『……あ………いえ…不快という訳では…………
お、男の人に名前を呼び捨てで呼ばれるのは……慣れてないので……
…その………なんと言いますか………
なんと返せば…………
…あ、わわ私っ! ここの旅館限定のお土産売場に欲しい物がありますので………!
さっ先に買いに行くので…!
煉獄さんはゆっくり支度をしてくださいね!!
で、では………!』
顔を真っ赤にさせ恥ずかしそうにしボソボソと目を合わせること無く、しどろもどろに声を出したかと思えば急に早口でこの場から逃げるようにAは捲し立てて話すと呆然とした杏寿郎を置いて去って行った。
______一人残された杏寿郎。
思いがけないAの素振りに何故か動悸が激しくなり思考が一瞬にして止まってしまった。
杏寿郎「………今まで一度もあんな態度無かったでは無いか…」
呟く杏寿郎の頬は薄っすらと赤く染まった。
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杏(プロフ) - ttakedasaki0906さん» こんにちわ〜! コメントありかとです😭✨ちまちま続編も進めてるので公開したらお時間ある時にでも読んでやってください😊✨ (2023年4月23日 11時) (レス) id: 535a4fa654 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!! (2023年4月22日 18時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 愛さん» わ〜!大好きって嬉しいです🥰✨良かったらこれからもお付き合い下さいませ☺️✨✨ (2022年10月5日 22時) (レス) id: e14c782aeb (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 杏様はじめまして!先月からこっそりお邪魔させていただいております!こんな杏寿郎さんと夢主大好きです!続き楽しみにしております🥰 (2022年10月3日 9時) (レス) @page16 id: 48db5b7854 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございますー🥰面白いって思ってもらえて嬉しい❣️のんびりですが更新頑張ります☺️♥️ (2022年9月29日 23時) (レス) id: e14c782aeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2022年9月14日 20時