思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】其の弐

50　▶杏寿郎視点 ページ3

どうしたことか。





今日の彼女はいつになく楽しそうにしている。
今までは一緒に出掛けると嫌そうな空気を分かりやすく出していたが今日はそれが感じられない。






よもや、
彼女は温泉がとても好きだったのだろうか？
嬉しそうに１０本目の団子を食っている。





うむ……！
行き先を温泉にしたのは正解だったのかもしれん！！





いつもこうして楽しそうにしていれば可愛らしく………、
………見えない事もない。





………髪飾りだって…
やはり笑っている姿の方が似合っている。
大して高価な物でもないのだから遠出でなくとも普段からもつけていれば良いのに…………







…………ん？
……待て、俺は何故こんなに彼女の機嫌を伺うような真似をしたり、色々と気にしているんだ？
……わけが分からん。











まぁ、考えても仕方の無いことは考るべきでは無いか！
彼女には婚約者のフリを続けてもらわねばならないからな！！
これからも協力してもらうには、このくらい気にするのは当たり前の事だろう！！






よし……、
今日は彼女の理解出来ない生態を暴く良い機会だ。






今日くらいは多少の憎たらしい態度は多目に見てやるとして、じっくりと観察するとしよう…！！

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