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Side Ymmt
次の日もオフィスは復旧作業に追われていた。
昨日の奇跡ともいえる時間を振り返って噛みしめる間もなく眠りに落ち、まだ覚めきらぬ目を擦りながら電車に乗りオフィスに来たわけ。全員のそんな努力が報われ、その日の夕方にはどうにかみんな取り戻すことができた。総出でこっちにあたっていたので明日は撮影詰めだね〜なんて話しているうちに、みんなすっかり疲れが出たようで、じゃんけんで負けた僕が買い出しにいくことに。
やっと一人で考えを巡らせることができる僕の脳内は、やっぱり彼女のことで一杯だった。
また会うにはどうしたらいいんだろう。お店に行けば会える。それは行く。毎度彼女がお店を出る時間にいたら気持ち悪いだろうしなぁ。
…気長にまたあんな偶然を待つしかないのかな。
近くのコンビニについて、適当にかごにいろいろ放り込む。甘いものとサンドイッチとたらこのおにぎりと…あーチョコ食べたい。あ、伊沢さんがボールペン買ってきてって言ってたっけ。
コンビニって便利だよなあと思いながら日用品の棚の前でボールペンを見繕う。ひとつをかごに入れ、レジに行こうと視線をずらしたとき、カラフルな細長いライター達が目についた。そして僕は気づいてしまう。
…僕も煙草吸ったら彼女と共通点が持てるんじゃない？
意外と後先考えない僕は、その一つを手に持っていたし、レジにならんでかごとお会計を別にして、店員さんの後ろに無数に並ぶそれらにびびりながら、友達が持ってたような気がするパッケージをどうにか探して番号を伝えた。
ありがとうございましたーという気だるげな声を背中に聞きながら店をでた僕の手には大量の食糧が入った大きなビニール袋と、吸ったこともない煙草とライター。
…どうしようか、これ。手の中のそれを見つめながら、でも少しだけ彼女に近づけたような気がして嬉しい気もする。
「山本」
「あれ、伊沢さん。なんかありました？」
「いや、振込今日までなの忘れてた」
またやっちゃったよと言いながら、どうやらコンビニのATMに用事らしく、財布だけ片手に入っていく。
きっと伊沢さんもすぐ来るだろうと店前の簡素なベンチに腰掛けた。すぐそばの灰皿をぼんやり見つめる。
「あれ、待っててくれたの。…山本吸ってったっけ？」
「…伊沢さん吸ってましたよね」
「まあね」
「僕吸ったことないんですよ」
「は？」
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黄色い恐竜(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます！私も書くことが自粛期間中の楽しみだったので、そう言っていただけて嬉しいです…！次回もよければぜひよろしくお願いいたします！ (2020年6月15日 14時) (
レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - ぺりさん» コメントありがとうございます！私も大好きな二人をそう言っていただけて嬉しいです…次回はまた雰囲気が変わるかと思いますが、よければぜひよろしくお願いします！ (2020年6月15日 14時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 孤黒さん» コメントありがとうございます！日常的な幸せって素敵ですよね…そう言っていただけて本当にうれしいです！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月15日 14時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
早瀬 - 完結おめでとうございます！コロナで外に出れない憂鬱なこの日々の楽しみがこのお話でした！とってもとっても素敵でした…！！山本さんを幸せにしてくれてありがとうございます笑これからも素敵な物語を楽しみにしています！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: 0963beb20e (このIDを非表示/違反報告)
ぺり(プロフ) - はじめまして！完結おめでとうございます！陰ながらずっと更新を楽しみにしておりました。山本さんが報われてよかったし、本当に好きな2人でした。次回も楽しみにしております！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: aef7fed343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄色い恐竜
| 作成日時：2020年5月21日 21時
