好きなもの ページ38
Side Sgi
「お酒かったでしょ、明日の朝ごはんあるでしょ、あとなんかある？」
「おやつ」
「はい、好きなの選んでください」
Aが止まりに来るある日。
もう別になにも特別なことではなく、帰りにこうして駅前のスーパーで買い物をするのも
当たり前になっていた。今日は海鮮丼なのでお刺身を買いました。プチ贅沢。
オフィスではあまり仕事中にお菓子とか食べてるイメージはなかったけど、
家では結構食べるらしく、買い物の旅にお菓子コーナーで吟味している。
俺はあんまりこだわりはないけど…あ、新しい味のポテチ。
「あれ、駿貴さん珍しい」
「気にならん？ハニーマスタード味」
「気になる」
「…好きね、麦チョコ」
「一番おいしいと思ってる」
Aの手にはいつもの麦チョコと、あと醤油味のお煎餅。
そんなのも食べるの、と聞くとお茶割には一番合うんだと豪語している。
知れば知るほど不思議な子だよね、かんちゃん。
でも、そんなに嬉しそうに笑うきみを見てるとなんでもいいんだよなあ。
「はい、もういい？」
「うん、帰ろー」
会計を済ませて、二人で並んで歩く。
片手には荷物、もう片手はAの手。これが当たり前だった。
「しりとり」
「唐突じゃん」
「いいじゃん、りだよ」
「…リスザル」
「ルンパッパ」
「パラレル」
「ルール」
「…ルイザグロスホロウィッツ賞！」
「よく覚えてるな？！俺まだ言えん」
「アプリ落としたんでしょ、ふくらさんに怒られちゃうよ」
「あれほんとまじでやばいよな」
急に始まるしりとりも、隣でころころ笑うAも、のんびり話しているこの時間も
まとめて全部楽しくて、誰かにめちゃくちゃ自慢してやりたい。
今度こうちゃんとか川上あたりと惚気まくる会でもやろうかな。
「…Aはさ」
「んー？」
「俺と付き合ってること誰に言ってるの」
「高校の部活の同期かなぁ」
「…だけ？」
「うん、彼氏いることは大学の友達にもちらほら言ったけど」
「…いいの？言いたくならない？」
「えー、あんまり言いふらしたくないし」
駿貴さん困ってもやだしねー、とさらっというA。
気にしてくれているのか、当たり前だと思っているのかわからないけど、
でも気遣ってくれていることに変わりはない。
繋いだ手にぎゅっと力を込めると、驚いたようにこちらをみて、またふふっと笑う。
握り返されたその手が心地よかった。
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とぉと - いや、みんなして可愛いかよ (2021年5月6日 20時) (
レス) id: 81b7d60823 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 時々繋がりが見えるところ楽しみに読ませていただいてます！体調の方快方に向かっているようでよかったです。更新していただくのとてもとても嬉しいですがどうか油断なさらずご自愛くださいね。返信は不要です。 (2020年6月25日 1時) (レス) id: a2999cd47b (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - Yukiさん» コメントありがとうございます！お気遣いもいただいて嬉しいです…のんびり更新していきますのでゆるくお付き合いいただければと思います。これからもよろしくお願いします！ (2020年6月15日 22時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - いつも潤いをありがとうございます！ご体調の方大丈夫でしょうか？どうかご無理をなさらないでくださいね。気長に楽しみにお待ちしております。 (2020年6月15日 15時) (レス) id: a2999cd47b (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - ゆうかさん» ありがとうございます！ぽちぽち更新していきますのでこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月8日 23時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄色い恐竜
| 作成日時：2020年5月21日 18時
