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Side You
「…はい、おっけー!」
ふくらさんの声で撮影の終了が告げられる。特に大きな問題もなく終了。優勝は山本さんでした。須貝さんはいつも通りナイスガイで場を盛り上げ、伊沢さんにツッコみ、山本さんをほめたたえていた彼。正直に言う。今なら恋する乙女フィルターで何でもかっこいいと言ってしまうんだろう。
どうやら伊沢さんらに急用らしく、終わってすぐに川上さんが呼びに来た。この後はこのままサブチャンネルの動画を撮ろうという話だったが、伊沢さんふくらさんが戻るまでしばし休憩となる。
「おつかれさまです」
「んやーかんちゃんありがとね」
「…須貝さんお疲れですか」
「そーうねぇ、疲れてないといえば嘘になるわな」
コンビニ弁当ばっか食ってりゃね、と自嘲気味に笑う彼。あれ、と山本さんが会話に入ってくる。
「須貝さん彼女は?まえはちょこちょこご飯作りに来てたんじゃないの」
…今一番知りたかったし知りたくなかった情報が山本さんによってもたらされた。その問いかけに須貝さんは頭を掻いて。
「最近全然こねーのよ、ま当たり前よねぇ、飯作りに来てるだけみたいになることも多かったし」
「そっかー…かんちゃん?かんちゃーん?」
この数秒の会話で得た情報から須貝さんと彼女さんの関係性を探るのに必死になってしまい、山本さんの呼ぶ声に反応が遅れてしまった。すみません、と慌てて笑顔を作る。
「なによーそんな驚き?お兄さんの彼女事情」
「いやー聞いたことなかったので」
「須貝さんは彼女さんのが年上でしたよね確か」
「そーそ、一個だけね。…伊沢おせぇなぁ、俺ちょっと見てくるわ」
いやちょっとまって情報量が多すぎる。え、彼女年上なの?年上が好みなの?彼女持ちでこんなガキタイプですらないってこと?…勝ち目なさすぎでは??
「…かんちゃん?」
「…山本さぁん」
「…あーーーーーごめん!!!」
「いいんです吹っ切れました」
この続く私の反応をみて、山本さんはどうやら察したようでソファの上で土下座の勢いである。
実際気になってはいたし、ここまで知れれば私のふるまいも決めやすい。
ほんとに来月で辞めればもう会うことなくなるのかな、とか。
ただひとつだけ気になることがある。須貝さん、あまり彼女さんの話はしたくなさそうだったような。今だって半ば強引に逃げたような…考えすぎだろうか。
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黄色い恐竜(プロフ) - なぎささん» コメントありがとうございます!ご丁寧にありがとうございます…!まだまだ知識が浅くて申し訳ないです、訂正と今後の参考にさせていただきます、これからもよろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ - はじめまして。作品の設定だったり、sgiさんの心理描写がリアルで読んでてとてもキュンとします!ご迷惑でしたら削除していただいて構わないのですが、現実のkwmrさんはsgiさんに敬語でお話しされているようです。もし現実に忠実な設定にされる場合はご参考ください! (2020年5月9日 3時) (レス) id: 72acd9cf45 (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けていて嬉しいです…このもどかしいのが続くのが耐えられないので早々にラブラブさせようと思っています。これからもよろしくお願いします!実は私もスイさんのお話いつも拝読させていただいて、コメント頂けて嬉しいです! (2020年5月1日 0時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - はじめまして。いつもかんちゃんとsgiさんのもどかしさを楽しませてもらっております。後半にラブラブパートがくると聞いてさらにお話の続きが楽しみになりました…!陰ながら応援させて下さい。 (2020年4月30日 22時) (レス) id: 2b1fce6966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄色い恐竜 | 作成日時:2020年4月20日 15時