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Side Sgi
「…あ、ねえかんちゃん」
「なんですかぁ」
そのまま隣でたまにしゃべりながらお互いの業務を進めていくうちに、やがて昼時になる。
ひと段落したのかノートパソコンを閉じるかんちゃんにまた声をかけた。
「…10歳上の女の先輩に誕生日プレゼント渡すってなったらなににする?」
「彼女さんですか?」
「はや」
「いや絶対そうじゃん」
かんちゃんと彼女の歳の差がおおよそ10ということに改めて年齢差を感じるも、やっぱり参考になるのは同性の意見だろうと思い、つい聞いてしまった。
妙なごまかしはすぐにばれてしまったけれど、そうですねえ、と考えてくれている。
「同性からなら化粧品とかでもいいでしょうけど、彼氏からもらうんでしょう?やっぱアクセサリー嬉しいんじゃないんですか?」
「アクセサリーねぇー…」
3年目の誕生日ともなれば、そういうイベントはこれまでにも多くあり、やはりアクセサリーは過去に贈ったこともある。
…あげすぎってことはないかな、無難でいいかな。
「アクセサリーなんていくつあっても大丈夫じゃないですか。あ、あまり付けない方だったりお仕事中できないとかだったら話は別ですけど…」
彼女のもとの性格なのか、やはり同性だからなのかいろいろな視点で考えているのはさすがだった。なるほどねえ、とその場で手元のスマホで検索をかける。ピアスかネックレスあたりだろうか。…指輪は変な期待をさせそうだ。昨日のこともあるから、謝罪の意も込めて少しだけ予算をあげる。
「…須貝さんが彼氏で、こんな考えてくれるなんて彼女さんが羨ましいです。」
なんてちょっと寂しそうに言うから、きれいにまとめられたポニーテールの部分を手ではじいてみる。
そういえば彼女の恋愛事情は知らない。
「なんでよ、かんちゃん彼氏は?」
「いませんよー、別れてもう1年くらい経ちます」
「えー好きな子いないの?」
「かんちゃん!」
中学生のような会話をしていると、向かいの山本がかんちゃんを呼んで立ち上がった。
なぜかそのまましまった、とでもいうように少し固まるけど、
やがていつものように笑って、こないだのお礼したいからお昼どう?と誘っている。
「んー…須貝さん午後もいます?」
「俺今日はずっといるよ」
「よかった。じゃあ山本さんに奢られてきます」
ぺこっと頭を下げて二人で出ていく。
…なに、山本はかんちゃんのこと好きなの?
あんなわかりやすいタイプだったっけ。
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黄色い恐竜(プロフ) - なぎささん» コメントありがとうございます!ご丁寧にありがとうございます…!まだまだ知識が浅くて申し訳ないです、訂正と今後の参考にさせていただきます、これからもよろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ - はじめまして。作品の設定だったり、sgiさんの心理描写がリアルで読んでてとてもキュンとします!ご迷惑でしたら削除していただいて構わないのですが、現実のkwmrさんはsgiさんに敬語でお話しされているようです。もし現実に忠実な設定にされる場合はご参考ください! (2020年5月9日 3時) (レス) id: 72acd9cf45 (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けていて嬉しいです…このもどかしいのが続くのが耐えられないので早々にラブラブさせようと思っています。これからもよろしくお願いします!実は私もスイさんのお話いつも拝読させていただいて、コメント頂けて嬉しいです! (2020年5月1日 0時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - はじめまして。いつもかんちゃんとsgiさんのもどかしさを楽しませてもらっております。後半にラブラブパートがくると聞いてさらにお話の続きが楽しみになりました…!陰ながら応援させて下さい。 (2020年4月30日 22時) (レス) id: 2b1fce6966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄色い恐竜 | 作成日時:2020年4月20日 15時