冷めた欲望に咽び泣いて瞼の中。 (ページ6)

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「どうかしたのか、田中。」

「見学者らしいっすよ。影山が勧誘してきたって。」

「そうか！大丈夫だったか？誘拐されたとかじゃ…」

「あ、一応大丈夫です。自分でついてきたんで。」

こんだけ誘拐を心配されるってことは

前に何かやってるな。

先輩たちは思った以上に優しくって、練習に参加させてくれた。

「影山、責任もって面倒見るんだぞ。」

「うっす！」

俺は捨て犬か何かなのか。

「おい、レシーブ練するぞ！」

「はいはい、仰せのままに。」

「バレーやったことあるのか？」

「体育の授業でちょっと。あと球技大会とかで。」

「まあ、説明よりやったほうが早いな。行くぞ。」

そう言って影山はボールを軽く打った。

それを俺はきっちり正面でとらえて影山の頭上に返す。

そのボールを影山はキャッチして黙り込んだ。

え、何か間違えたのか？

完璧な返球だったはずだけど…気に食わなかったのか？

「お前、すげえな！完璧な位置への返球！やべぇ…スゲェ！」

「語彙力(笑)」

「あ"？んだと、月島！！」

そんなに、驚くことでもないでしょ。

こんなの…出来て当然………

クソ、両親(アイツ等)の思考が染みついてんのが気持ちわりぃ…。

「おい！もう一回やるぞ！やっぱりお前センスある！」

”センスある”って当たり前じゃん、

~~○○○○~~だったんだから。