冷めた欲望に咽び泣いて瞼の中。 (ページ21)

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「譲羽クンはポジションどこ？」

「WSですけど、どこでも大丈夫ですよ。」

「くぅー！カッケーなぁーおい！」

俺は梟谷のセッター、赤葦さんとペアらしい。

「要求とかあったら遠慮なく言って。」

「はい、分かりました。」

殆どが3年生で編成されているチームで唯一の2年生スタメン。

赤葦さん、普通の高校じゃエースを張れるような実力者だろう。

相手チームは黒尾さんと木兎さん。

2人とも体格に恵まれている。恐らく、真っ向勝負じゃ負ける。

黒尾さんのブロックとレシーブは音駒でも一、二を争う実力だろうし、

木兎さんのパワースパイクは全国トップレベルだ。

こういう人たちには…

「(フェイントが恐らく効果的。)」

「フェイントだとおお！？」

「ハッハー(笑)こりゃあやられたな。」

「譲羽、ナイス。」

「ありがとうがざいます。」

「にしても、打点高ぇなぁ！」

「昔から、ジャンプだけには自信があったので。」

俺は2人に頭を思いっきり撫でられる。

髪の毛がもさもさになってしまったが、不思議と嫌な気分ではない。

「かー！！結局俺らの負けかー！！！」

「何でもできるマンかよ、腹立つ～(笑)。」

「俺の方こそ、実りある自主練になりました。誘ってくれてありがとうございます。」

今日は解散ということになったので、俺は荷物を持って急いで部屋に戻った。

「譲羽遅かったね。」

「つい面白くなって…。」

「風呂、急いでよね。お腹空いたんだけど。」

「ツッキー、譲羽のこと待ってたんだよ！」

「月島ぁ～(笑)。」

「ウザい！」

俺は風呂セットを持って急いで風呂に入った。