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14 秀一side ページ20

秀一side

明美の妹と組織の幹部との会食というから俺は気を張り仲間にも張り込んでまらった状態で2人の到着を待っていた。

しかし、そこに現れたのは消えたと思っていたA。

4年前、Aが消えた翌日から俺は捜索を始めた。けれど消息は掴めないままで、FBIに入る理由が増えただけだった。


《……バカッ! ……バカ、「お兄ちゃん」のバカッ……!》


Aが叫んだ言葉が木霊する。Aはいつでも俺の後をくっついてきていた。もちろん、手を振り払われたことなんてない。払われた手はやけに重かった。

気がつくと明美の妹の姿までが見当たらない。

気になって明美に問いただせばAを追いかけていったという。俺も行こうとしたが、その腕は明美に止められてしまう。


「……待って。2人を騙そうとした訳じゃないの…… 」


でもね、と明美が口を濁す。


「……お願いだから彼女のことどんなに見え透いた言い訳でも信じてあげてほしい。きっと彼女なりの、大くんに対する優しさだと思うから____________」


真っ直ぐに俺を見る明美からそんなことを言われてハッとした。現にAは俺のことを「秀兄」とは呼ばなかった。俺が「諸星大」であることを分かってくれていたのだ。

Aのくれた優しさを一瞬でもないがしろにしていたかと思うと自分が不甲斐ない。

俺は改めてAを追いかけた。



*+*+*+*+*+*+*


Aside


悔しくて、悲しくて、でも嬉しいなんて思ってて。

心のなかに散らかる感情全てを忘れたくて私は走った。

走った果てにたどり着いたホテルの屋上には様々な植物があったが人気はあまりなく、私はそこで足を止めた。


(うわあ、きれい……! )


ホテルから見える都内の夜景、そして植物達のコントラストは素晴らしく思わず見入ってしまう。
アメリカでも夜景は見えるがここの夜景には到底及ばない。


まるで綺麗な夜景に心を覗かれている様で、自傷気味な笑みがこぼれた。


泣きたいけれど泣かないし、泣けない。


(悪いのは、私のほうだよね……)


秀兄との再会の場を2人がつくってくれた。秀兄も私に手を差し出してくれた。それなのに……それらを全て無駄にしたのは私だ。


(謝ったほうがいいのかな? )


でも何をどうやって?

秀兄が嫌いな訳じゃない。ただ、こんな風に変わってしまった自分を見られたのが嫌で。


ガサッ


考え込みだしたそのとき、屋上に誰かが入ってきた。


(……秀兄? )

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FluteMagic(プロフ) - 明里香さん» 失礼しました(*- -)(*_ _)ペコリ ご指摘ありがとうございます。修正させて頂きました。 (2019年6月10日 8時) (レス) id: a012491fd6 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 22話にも誤字がありました。「外していあかな」ではなく、「外していいかな」です。 (2019年6月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 14話に誤字がありました。「再開の場」ではなく、「再会の場」です。 (2019年6月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
FluteMagic(プロフ) - もふうさぎさん» ありがとう!!…がんばる。温かく見守って下さい・・ (2017年12月19日 22時) (レス) id: 9afb2fa1a5 (このIDを非表示/違反報告)
もふうさぎ - 読ませていただきましたっ!とても見やすくていいと思いますよ!これからも更新頑張ってくださいねヽ(*≧ε≦*)φ (2017年12月19日 20時) (レス) id: e534d00e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mpptt8231/  
作成日時:2017年11月22日 21時

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