黒に染まった哀れな小鳥【赤井秀一/降谷零】

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明美side


―――やっぱり。


別に構わないからいいよといって大君が差し出してくれた写真に写っていたのは、４年前カフェであったころのA。


大君が探して見つからなかったのも無理はない。
４年の前の冬、確かにAは組織に引きとられた。しかしそのあとすぐアメリカに渡ったのだから。


Aは私たちを気遣ってか自分の両親のことはあまり話してはくれなかった。だからと言って家族のことを何も話してくれなかったわけでもない。


２人の兄、それに妹についてはよく話してくれた‥‥特に１番目のお兄ちゃんについて。


(あなたがAの大好きなお兄ちゃんだったのね。)


Aは自ら望んで組織に入った、だから私たちに嫌われても仕方ないし、嫌いなら言ってと言っていた。だけど私も志保もAが家族のために組織を選んだことは知っていた、それに彼女のそういうところも含めて好きだった。


「‥‥心当たりでもあるのか？ 」


私があまりにも写真を見ているので感づかれてしまったみたい。


(２人を合わせたいな‥‥Aに怒られるかしら。)


「ううん、人違いだったみたい…ごめんなさい。」


志保に協力してもらってAをこちらに連れてきてもらおう、とその前に大君とのデートを楽しまなくっちゃ。大君とデートできる日少ないんだから。


「大君、早く次のお店に行きましょう？ 」






―After a few minutes(in night)―


デートを終えて家に帰ってきた私は早速志保にメールを送った。


―――――――――――――――
受信者：志保
―――――――――――――――
題名：元気？
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本文：
志保、元気にしてた？
私に彼氏ができたってことは前に
話したわよね？
その彼氏がAの兄だったの
２人を合わせたいからベルモット
に許可もらって日本に遊びに来て
！来たら連絡頂戴ね！
待ってるわね。
Aには内緒でね。

明美


　 -END-
―――――――――――――――


(これでよし、と。)


志保の事だからきっと上手くやってくれるだろう。


勝手に家を抜け出したAは私たちの前で決して泣いていない。
けれど、きっと寂しい気持ちもあるはず。‥‥私だって志保と会えなくて寂しいもの。


　

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