あの瞬間に。 (ページ10)

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湧たちが出ていってから深田くん楽しかったね、なんて言いながら部屋を片付けしてると酔いも少し覚めてきた。

「あ、檜山くん下に着いたって」

「ほんと？マキちゃん起きなさそうだし檜山くんにここまで来てもらったほうがいいかな」

「そうだな、今部屋番号伝えたからもうそろ来ると思う」

深田くんがマキちゃんの彼氏の檜山くんと連絡をとってくれてインターフォンが鳴れば申し訳なさそうな顔をした檜山くんがいた。

「ごめんね迷惑かけてない？」

「ううんぜんぜんだよ、マキちゃんよろしくね」

「おう、てかなんかそのふたり懐かしい感じする」

とわたしと深田くんを指さして笑った檜山くん

「なにどういうこと(笑)」

「はは、最近見てなかったからそのツーショット」

「だって深田くん彼女いたんだもん」

「･･･ええ、なんか反応困るからやめて」

「うそうそ(笑)ひさしぶりに今日話したんだよね？」

「そっか、よかったね竜生」

そう言って檜山くんは深田くんの肩をぽんっと叩いてマキちゃんをおんぶして帰って行った。

「･･･」

よかったねって、なに、
なんだか深田くんがわたしと話したかったみたいじゃん。

ちらっと深田くんの顔を見ると少し難しそうな顔をしてて

「どういう顔してるの」ってきいたら「Aちゃんとひさしぶりに話せて嬉しい顔」と言って微笑んだ。

「それ、わたしのやつ」

「パクってみた(笑)」

「あはは、パクらないでよ」

「みんな帰っちゃったけど」

「ん？」

「ひさしぶりだし、もう少しいてもいい？」

そう言ってさみい、と呟いてわたしの部屋に再び入る深田くん

時計は深夜12時をまわるころ。

手に持ってたスマホが光って通知を見ると湧からの着信

なにか忘れ物かな？なんて思ってスライドして電話に出ようと思ったら後ろから手が伸びてきて電源ボタンを押される

「えっ？」

「ほら、寒いから早くはいろ？」

････････････もうほんとに深田くんってずるい。

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