あの瞬間に。 (ページ12)

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結局深田くんは外が明るくなるまでわたしの家にいて、ソファに横並びで話し続けた。電車動いた時間で帰る？となったけど「朝メシ付き合って？」と外に連れ出されて家の近くのラーメンやさんに来た。

「味噌1つで、Aちゃんは？」

「んー、おなじので！」

そういうと店主のおじちゃんはにこにこして仲良いねえって。深田くんはめっちゃ仲良いっす！なんて答えて笑ってる。

「あ、髪跳ねてる」とわたしの頭を優しく撫でるから当たり前にドキッとするわけで、それも全部お見通しの彼はかわいーなんてからかってくる。

「深田くんっていつもずるい」

「なあに、それ俺のセリフだよ」

「あ、湧からめっちゃLINEきてる」

「まって俺昨日湧くんからの電話切った記憶あるわ」

「ねーそうじゃん、深田くんのせいだよ湧うるさい」

「湧くん、俺とAちゃんが朝まで一緒にいるって知ったらどうなるんだろな」

「なんかその言い方やめて(笑)湧は何も言ってこないでしょ親でもあるまいし」

「たぶん俺殺されるとおもうけどな(笑)」

適当に湧には寝てたから電話出れなかった、なんて理由をつけて謝っといたけど。

2人で横並びラーメンを食べて深田くんを見送ってさっきまでいた家に戻る。

今日は授業もないし夜からのバイトまで時間あるから寝てない分睡眠を摂ることにした。

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携帯の着信音で目を覚ますと時刻は17:05で飛び起きる。
電話の相手は颯太くんだ。

「あ、もしもし～Aちゃんだいじょうぶ？いきてる？」

「…まってごめん、寝坊した、すぐ行く」

「え？寝てたの？いきててよかった、お客さん全然いないからゆっくりきてね」

まだぼーっとする頭を何とか働かせて急いで準備をする
メイクもする時間ないしマスクするからいっか、と前髪だけ巻いて家を出る。

家から近いお店は起きて10分足らずで到着して店長からも心配されてて申し訳なくなった、颯太くんもめっちゃ心配してて生きててよかったって何回も言われた。大袈裟だけど。

1人を除く。

「…おまえ昨日の夜も電話出なかったし、朝起きてまた寝てたの？」

「すみません、寝てました…眠くて…」

「まあ、それならしょうがないけど、」

「うん電話もごめん、なんかあった？」

深田くんが勝手に切ったせいで、案の定怒られてますわたし。

「いや別になんもないけど……」

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