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2度目は、高校も大学も卒業して。
新卒で保育士として働いていた頃だった。
子ども達とのお散歩中、いつも遊んでいる広場に行けば何やら仰々しいイベントが行われていた。
何でもコヅケンと呼ばれるゲーム界のスターが来ているんだとか。
幼い頃からゲームとは縁がなかったから、そのコヅケンとやらがどれだけすごい人なのか想像できなかったけど、普段大人しい同期の男の子が鼻息荒く話しているのを見て、相当な人なんだろうと思った。
それにあろうことか、園の子ども達まで知っていた。
恐るべしコヅケン。
そんなコヅケンが気になって、つい仕事終わりにイベント会場に来てしまったけど。
夕方とも言えない、ほぼ夜になりかけの時間。
昼間と違い閑散としたそこは、イベントの影もなかった。
そりゃそうだ。あの時やっていたんだもん。
ゲームのイベントはよくわからないけれど、こんな時間まで液晶を見続けるのも負担だろうし。
家に帰ってネットで調べてみるかな。
子ども達に聞いてみるのも面白いかもしれない。
貼り出されていたポスターを眺めながら、
そんなことを考えていた時だった。
「あのー、オネーサン」
『え？』
「コヅケンのファンでした？
今日のゲーム生配信イベント、もう終わっちゃったんですよ」
振り返った先。
特徴的な、不均一な髪型が目に入って。
その瞬間、どくんと心臓が大きく跳ねた。
もう何年も前のこと。
忘れたと思っていた記憶の中のこと。
それでも、見間違えるはずがなかった。
それは、あの頃ずっとずっと探してた人。
学生だったわたしが、夢中になって追いかけた人。
「あのー、オネーサン？」
『あ、すみません！』
スーツを着てる。首に社員証みたいな、スタッフカードをぶら下げている。
コヅケンのイベント設営に関わってる人なのかもしれない。
同期は何て言ってたっけ。コヅケンの所属事務所とか言ってたっけ。そもそもコヅケンってどんな人なんだっけ。
目の前の彼の情報と、記憶の限りのコヅケン情報から、必死に頭を働かせる。
彼がもし、あの時の先輩なら。
いや、こんな特徴的な髪型、他にないけど。
やっと、やっと会えた。
「俺の顔じっと見ちゃって、どうしました？」
『す、すみません。
えっと、わたしコヅケンにちょっと興味があって…』
「もしかしてオネーサン、見惚れてました？」
『……え？』
時間が、止まった気がした。
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nameless - 1話1話読み進めていく毎に高揚感が募っていくような作品でした！またいつか、続きを楽しみにしております (12月20日 10時) (
レス) @page42 id: e6c0ea655a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 水傘るんさん» 水傘るんさん！ありがとうございます！このシリーズに黒尾さんは必須！と思っていました！大人ですよね…！ありがとうございます頑張ります！！ (2023年3月31日 19時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 菜花さん» 菜花さん、ありがとうございます！彼らの大人時代はどんなのかなぁという妄想から始まった作品ですが、そう言っていただけて嬉しいです🍀💚今後もぜひよろしくお願いいたします！ (2023年3月31日 19時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
水傘るん(プロフ) - 面白すぎます........えっやばい。黒尾さぁん.....大人の男すぎますって....最高です....！！！無理されない程度に更新頑張ってください！！応援してます！！ (2023年3月26日 2時) (レス) @page27 id: e67109cbac (このIDを非表示/違反報告)
菜花 - めっちゃ大人って感じのハイキューの小説が読めるとは…！と感激しています！スッと内容が入りやすくて魅了されるような文章で尊敬します！なんか上からですみません！応援してます！ (2023年3月20日 3時) (レス) @page27 id: da77361163 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2023年1月20日 20時
