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『あ、あの!今のは変な意味じゃなくて、光くんもバレー部も応援してることは事実で、だから、何というかその…!』

「行こうかな」

『…はい?』

「だから、俺も、来週は図書室行こうかなって」






何でそんな慌ててるの、と無表情がコテン、と傾く。

予想していなかったその返しに、何でそんな冷静なの、とわたしの頭もコテン、と傾く。



とりあえず、想定していた最悪の事態にはなっていないことだけ理解する。

と、同時に、赤葦先輩の言葉の意味には疑問が出てきた。




図書室に行こうかな?
そんな話、今してたっけ…






『えっと、赤葦先輩、が、ですか?』

「うん。来週は、テスト週間で部活もないしね」






そういえば、なんてカレンダーを思い出す。


来週には、我が梟谷学園はテスト週間に入る。
どれだけ全国大会常連の強豪バレー部とは言え、学生である以上テストはテスト。

みんな等しく、テスト週間となる。



赤葦先輩の学力は知らないけど、バレー部での立ち回りや普段の会話から察するに、かなり優秀なんだと思う。


そりゃあ、図書室で勉強だってしてても違和感は全くなかった。






「いいかな?」

『いいも何も、図書室はいつでも…』

「そうじゃなくて」






被さった声に、息を飲む。
目の前にいる赤葦先輩に、その表情に、目を奪われる。



頭が、クラクラする。





何で。






「一緒に勉強しようと思ったんだけど」

『あ、の…』

「Aさんと、勉強。いい?」






何で、そんな顔。



さっきまでずっと無表情だったのに。

今ここに、光くん、いないのに。
光くんの話、してないのに。



何で。




何で、そんなに綺麗な笑顔、してるの。




いいかな?と改めて聞く赤葦先輩に、ただ無心で頷くことしかできなかった。

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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます!励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2022年11月30日 21時

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