不思議果実 ページ31
「エースこのままじゃ死んじゃうんだよ」
AC「いいよ」
なんて言いながらリビングから出て行くエース。
いや、良くないわ!
SB「エース!!」
LF「何言ってんだよ、エース!」
「待って、ふたりとも」
ふたりが追いかけようとするのを止めた。
「襲ってくる」
SB「言い方!!」
サボのツッコミを無視してエースを追いかけた。
玄関で靴を履こうとするエースの背中を強めに叩く。
「馬鹿エース」
AC「…」
「私とキスするの嫌なの?」
座るエースの背中にピッタリ引っ付いた。
「私のこと嫌いなの?」
AC「…」
「嫌いって言ったら私いなくなるよ」
意地悪を言うとピクッとエースの体が動いた。
ずっと見てるとエースがゆっくり振り向く。
AC「嫌いじゃねェよ」
「ふふ、知ってるよ」
そう言うとほんのり顔を赤くしたエース。
AC「でもキスはできねェ」
「私じゃやだ?」
AC「…ちげぇよ」
また前を向いてエースの顔が見えなくなった。
そっと腕をエースの体に回す。
AC「俺は普通じゃねェから」
「鬼の血を引いてるから?」
何も言わないから図星なんだろう。
まだそんな事気にしてたの。
「私の周りには普通じゃないのいっぱいいるよ」
AC「…」
「喋るトナカイだって、ロボだって、骨もいる」
AC「それと、俺は関係ねェよ」
まあ確かに。それもそうだ。
なんて納得しそうになってしまった。
「鬼の血を引いてるのと私とキスしないの、何が関係あるの」
AC「…お前が汚れるだろ」
まるで自分を汚いみたいに言う。
昔からそうやって言うエースが嫌い。
みんなの前で笑ってるくせにね。
「私を汚したくないから死ぬの?」
AC「…そのほうがいい」
「じゃあ私のせいで死ぬってことね」
そう言うと体ごと振り向いたエースに睨まれた。
「死ぬなら私も連れてって」
AC「…A」
「私は汚れないよ」
AC「いや、」
エースの頰を触ると今にも壊れそうで消えそうで不安になった。
「エースは私の愛を受け取らないつもりなの?」
兄弟としての愛情を。
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ちいず 。 - ルアさん» コメントありがとうございます(^^)読み辛くて申し訳ないです…名前表記検討してみます! (2020年9月2日 21時) (レス) id: 1eb0768316 (このIDを非表示/違反報告)
ルア(プロフ) - めちゃめちゃに面白いです!ただ、少し読みずらいので名前表記入れてくれると嬉しいです。文句いってすみません(><) (2020年8月31日 20時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちいず 。 | 作成日時:2020年5月15日 17時