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「待たせて悪かった。今度こそお前の番だ」
Aの頬に手を触れて、頭部からじわじわと治療を開始する。
「大丈夫だ。安心しろ。俺が絶対に治してやる」
通常無駄な会話をあまり好まない少年が、何度も何度も大丈夫、大丈夫だと、呟くように同じ言葉を口にする。
それはまるで、Aに語りかけているというよりも、自分自身に暗示をかけているかのようで＿＿＿、
＿＿＿大丈夫。
Aのいっそ非常識なまでの美貌が、手際よく復元されていく。
一度目で要領は掴んだため、今度はさっきの倍速で。
治療は順調そのものだった。
＿＿＿大丈夫。
もともと修復はAのためだけに磨いた個性だ。
もちろん一番良いのは力を使う機会が来ない事だが、培った技術をこうした場面で余すことなく発揮し、Aの身を守れる事に充足感さえ感じていた。
＿＿＿＿大丈夫。
なのにどういうわけか、自分の額からも背中からも、冷たい汗が噴き出してくるのを止められない。
「……A」
まだこちらの声掛けに一度も反応を返さず眠る少女に呼びかけた。
呼吸器官の修復は既に済んでいる。
もう声は出せるはずだが、燈矢と同じく精神的な疲労のせいか、目を覚ます気配はない。
＿＿＿大丈夫。
治療中に意識がないのはむしろ幸いだ。
分解の際は強烈な痛みが伴うため、それに気づかず眠っていられるのならそれに越したことはない。
なのにどこか、漠然とした不安を拭い切れていない自分が居る。
「A」
さっきよりも強い声で名前を呼んだ。
肩を揺らして、手の甲で頬を軽く叩いてみる。
Aは目を覚まさない。
「A」
閉じた瞼に透けて見えるはずの毛細血管の血流は途絶え、目の下の隈は色濃く、頬や唇には赤い血脈の陰が見当たらない。
植物じみて、より人間味を失ったAは花のようで、皮肉にもさらに際立って見えるその美しさから目が離せない。
＿＿＿＿＿。
個性使用の副作用とは明確に異なる理由で、廻の息が荒くなっていく。
全てが上手くいっているのは間違いないのに、明らかに何かがおかしい気がした。
「A……」
何とはなしに片手をAの口元にかざした。
「……何で、」
かすかに震え始めたその手を、Aの左胸の上に置いた。
「何で……」
＿＿＿＿＿何で、心臓が動いていないのだろう。
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
