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それなのに、すぐさま分解と修復を施そうとしていた廻の手首を、Aはガシリと掴んで止めた。
この状態で立って動けているだけでも奇跡に近いというのに、いったいどこからそんな力が湧いているのか。
Aはぎこちない動きで首を振って、また絞り出すような願いを舌に乗せ、どこの誰かも知らないような子供を廻に突き出し続けてくる。
「俺に……お前よりもそいつを優先しろって言ってるのか……？」
愕然とする廻の問いに頷いて、Aはぐいぐいと廻の手を無理矢理燈矢の肌に触れさせた。
A以外の人間との接触を嫌う廻の潔癖を知っているはずの心優しい少女が、その苦痛を乱暴に押し付けてでも治してくれと訴えている。
「……無理だ」
Aが心から望むのならば、廻には命だって差し出せる覚悟がある。
けれどその望みに対してだけは、首を縦に振る訳にはいかなかった。
「治療をするのはお前からだ。その後でそっちの奴も治してやる」
前提として、人体の修復には繊細な個性コントロールと多大な集中が必要とされる。
加えて、廻にはこれほどの重傷者を治療した経験が過去にないため、どれだけの体力を消耗するのか予測が出来ない。
そうでなくとも成功率に自信を持てないのだから、Aの治療にはせめて万全の状態で臨みたいと考えるのは至極当然の事だった。
『し……じゃう。お、ねが……』
「死にそうなのはお前もだろうが！いいから手ぇ退けろ！黙って大人しく治療を受けろ！」
眼力を強め、聞き分けのない小さな子供を叱りつけるように声の圧を強くする廻に対し、Aは何度も首を横に振る。
Aもまた、廻の懸念を理解していて、だからこそ燈矢の治療を優先させようとしているのだ。
廻の足元に燈矢をそっと寝かせると、自分は一歩後ろに下がって距離を取り、ふらりふらりとよろめきながら片膝を突く。
少女が次に取るであろう行動を察した廻が止めるよりも早く、Aは両膝を折って頭を下げようとし、上手くバランスが取れずに額を床に打ち付けた。
「A……っ！」
『たす、け……おね……が……』
冷たい床に顔をつけたまま、うずくまった姿勢でぼそぼそとこもった声が力なく言う。
『た……け、くだ……さ＿＿＿』
「もういいやめろっ！！！」
胸の奥底を掻きむしりたくなるような、悲痛な叫びが廊下に響いた。
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
