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濃紺の夜空を、亜音速で駆け抜ける一人の少女の姿があった。
その背で羽ばたく翼は、かつて鮮やかな青色をしていた面影などもうどこにも残しておらず、翼と呼べるのかどうかも疑わしいほどにボロボロに朽ちかけていた。
チャクラで補強に補強を重ねていなければ、いつ墜落してもおかしくはない。
そんな無茶な真似をしてでも、彼女には飛び続けなければならない理由があった。
その腕に抱く少年の命が、もう長くは保たない事を直感していたのだ。
呼吸器官の損傷、一酸化炭素中毒、人体の許容量を遥かに上回る熱傷、そのどれもが彼の死因として充分過ぎる可能性を持っていた。
常識で考えれば、この少年はもう助からない。
とっくに手遅れなほどの重傷を負っている。
＿＿＿けれどAには、燈矢を救える人物に、たった一人だけ心当たりがあった。
事態は一刻を争っている。
一分、一秒の遅れが燈矢の生死を分かつのだ。
出し惜しみなんてしている余裕はもはやない。
翼の補強にチャクラを使い、スピードのあまり生じる衝撃波に肉体を引き裂かれないよう、二人分の身体にもチャクラを注いで保護していた。
さらには燈矢に忍び寄る死の影から少しでも時間を稼いで逃れようと、飛んでいる間も同時進行で治療を施し続けていた。
チャクラの使用は生命エネルギーを放出する事と同義であり、既に消耗して枯渇気味のチャクラを止め処なく消費するAの行いは、自 殺行為にも近かった。
したがって、ただでさえ色を失ったAの視界は次第に狭く薄ぼけていき、こめかみを鋭く刺すような痛みが身体に危険信号を発し、先ほどまで強く波打って警鐘を鳴らしていた鼓動など、一周回って弱まり始めてしまっていた。
けれど今は、そんな些末な事に気を取られている場合ではなかった。
止まってはならない。
休息を取る暇などあるはずがない。
息を切らし、引きつった呼吸を繰り返しながら、歪な翼で夜を駆ける。
己の無力と向き合う時間は後でいい。
今はただ、前へ、前へ、前へ＿＿＿＿。
＿＿＿＿一秒でも早く、廻のところへ急がなければ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
年末年始付近は忙しいので更新が遅くなるかもしれません、ごめんなさい🙇
あと、何かしら感想いただけると本当に嬉しいので、お暇なときにでもぜひお願いします！
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
