281.火の不始末 後編 ページ31
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しおらしくなった燈矢を見て、喧嘩はもう充分だと判断したのだろう。
あれほど緊迫した掛け合いをしておきながら、別人のように纏う雰囲気を落ち着けたAが、ほんの少しだけ首を傾げて『ところで仲直りってどうやるの？』などと間抜けな質問を寄越してきた。
本当に鈍い。どうしようもなくズレている。
そんな彼女に、いったい自分は何度救われれば気が済むのだろう。
燈矢は唇を引き結んで、端のほうだけ無理矢理に持ち上げて、その泣き顔に笑みを浮かべた。
「……もう、してるだろ」
『いつの間に？』
真面目な口調でさらに首の角度を急にするAの姿に、燈矢は笑った。
涙も、鼻水も、笑いも全部一斉に、堰を切ったように溢れ出して止まらない。
感情が思うように制御出来ない。
だけど今は、普段であれば顔を汚していたであろう液体は蒼炎に紛れ、Aには笑い声しか届いていないはずだ。
何故自分が笑われているのかなどきっと理解できていない少女は、煌々と炎に照らされながら、それでも燈矢の笑顔を見て満足げに片手を差し出して、
『それじゃあ、帰ろう燈矢。その炎ももう抑えて。それで、明日にでも一緒に病院に行こう』
Aから一歩遠のいて、燈矢は力なく首を横に振った。
「………俺はまだ、帰れない」
『どうして？』
「お父さんを待ってるから。今日ここで、すごいもの見せてあげるって伝えたんだ。だからまだ、帰れない。………もう少ししたら来てくれると思うから、Aは先に帰ってて」
『燈矢が帰らないなら私もここで一緒に待つよ』
予想通りの答えを返すAに、燈矢はまたしても首を振る。
「駄目だ。Aは帰ってくれ」
『それもどうして……ねぇ、とりあえず、一度その蒼炎を止めてから話をしよう？さっきからどんどん火力が上がってる』
知っている。
先程から燈矢のすぐそばに立つAの首筋には絶え間なく汗が光っているし、今となっては流れ出た端から蒸発し、白い肌が炙られて今にも焦げそうな状態になっている。
もう一歩、燈矢はAから距離を取った。
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
