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暗い暗い夜の山に、静寂がポツンと落ちている。
月明かりは木々によって遮られ、広がる闇は黒く深い。
こんな場所に1人で何時間も居座っていては、まるで自分だけが世界に取り残されているような錯覚を起こしそうになる。
大丈夫。大丈夫。大丈夫なのだと先程から何度も自分に言い聞かせているはずなのに、得体のしれない不安がじりじりと足元から這い上がって来ているような感覚がある。
その身一つで家を飛び出してきた燈矢には、今の時刻を確認する術はなく、1度集中の途切れた脳は身体のあちこちから焼け付くような痛みを敏感に感じ取り、それら全てが燈矢の精神にのしかかる重圧を大きく育てていた。
＿＿どうして、父は来てくれないのだろう。
当然のような疑問が頭に浮かび上がる。
こちらの準備は万全なのだ。
蒼炎さえ披露できればいい。
そうすれば何もかもが上手くいく。
燈矢に微塵も期待していなかったからこそ、炎司はその真の実力に驚き、歓喜し、燈矢の事を見直すはずだ。
失敗作の烙印を取り下げ、”やっぱり俺の夢を託すべきはお前だった”と肩を叩いて燈矢を側に置いてくれるはずだ。
だから早く。早く、早く、早く。
ほんの少しでも早く、数秒でも早く、ここに姿を現してほしい。
そうでなければ溺れてしまう。
足元から迫りくる悍ましい何かに塗り潰されて息ができなくなってしまう。
今はただひたすらに、その事だけが恐ろしい。
歯を噛み締めて目を強く瞑り、燈矢は闇から逃れるように両手で顔を覆おうとした。
しかしその掌が顔に触れた瞬間、べたりとした不快な感触を肌に感じた。
暗くてよく見えていなかったのだが、昨日散々吹き荒れていた雨風の影響で、地面はぬかるみ、燈矢が今腰掛けている木の根にも泥が付着して汚れていたのだ。
そこに置いていた燈矢の両手は言うまでもなく二次被害を受けており、それを知らぬまま自分で顔に塗りたくってしまっていた。
気持ち悪さに顔をしかめ、立ち上がって自分が今しがた座っていた木の根を睨む。
1度意識してしまえば、尻やもも裏にもじとりと濡れた感触を感じ、ますます不快感が押し寄せた。
泣きっ面に蜂とは正にこういう事を言うのだろう。
何もかもが上手く行かない現実に、いっそ小さな笑いが漏れたその時、燈矢はストンと理解した。
自分は、賭けに負けたのだと。
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
