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もとより無理を言ってこの少女を困らせる気はさらさらなかったので、大丈夫の意味を込めてその頭を1度撫でてやった。
大丈夫。引き際くらいはちゃんと弁えている。
深追いし過ぎると警戒されて距離を取られてしまうものなのだと、幼い頃に近所の野良猫で学習済みだ。
「それじゃあ質問の方向性を変えさせてくれ。1番気になってた事なんだが、普段学校はどうしてるんだ？」
『行ってない。でも通信教育で高校卒業レベルまでは履修してるから問題ないよ』
「問題大有りだろ。お前のその異常な学力についてはとりあえず置いておくとして、無邪気に外を走り回ってるはずの年齢の子供が当然の権利を行使出来てない現状が大問題だ。お前は自分がやりたくてヒーローをやってる訳じゃないんだろう？」
消太の質問に、Aは少し間を置いてからコクリと静かに頷いた。
「辞めたくはないのか？」
『どうだろう？考えたことも無いし、考えたところで辞められないよ』
「お前が辞めたいとさえ言えば出来ることはあるはずだ。児童相談所や自治体の窓口に連絡してみたっていいんだ」
『無駄だと思うよ。アズールの後ろにはもっと大きな力がついてるから』
「………辛くはないのか？」
『よく分からない』
淡々とした口調で答えるこの少女は、ただでさえ普段から声の調子が一定なせいで、後ろからでは余計にその感情が読み取りにくい。
消太はAの両脇に手を差し込むと、持ち上げてクルンと向きを反対にし、自分の脚の上に置き直した。
消太と向き合うようにして座らされたAが、大きな瞳でじっと消太を見上げている。
「もう1度聞くぞ。お前は今、辛くはないのか？」
『？……よく分からない』
Aはこてりと首を横に倒した。
自分の境遇に何の疑問も持たず、当たり前のようにそれを受け入れて来たのだろう。
物を知らない幼い子供なのだ。無理もない。
この場所から逃げたいなど、他の世界を知りたいなど、そんなことは考えつかないほど、少女の世界はそこにしかないのだ。
辛くないはずがないだろう。
あれだけいつも疲弊しておいて、寄りかかる場所を探して彷徨い歩いておいて、こんなにも甘えたがりな少女が、そんな自分の現状に気付けていないのが痛々しかった。
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メケメケ(プロフ) - まおさん» まおさん初めまして〜！わ〜、私もこんな素敵なコメントを頂けてとっても嬉しいです！😭説得力ある深い愛情を綴れるのが長編の良い所だと思っているので、そう言ってもらえて嬉しいです！�Ь呂諒�にもぜひお付き合いください☺️ (1月5日 13時) (
レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - うさん» 動いてる心臓とはもちろん、、、🥺3話くらいまとめ書きしてから7章を更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！近々続きを出しますね！😊 (1月5日 12時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
まお - メケメケさん初めまして！こんな素晴らしい小説に出会えてとっても嬉しいです！！登場キャラからアズちゃんへの愛情がとても伝わってくるし、誰が何をしているのかが読んでいてとっても分かりやすい丁寧な文章で本当に大好きです！これからも応援していきます！ (1月5日 2時) (レス) @page50 id: 956050c9e8 (このIDを非表示/違反報告)
う - 動いてる心臓とは…？やめるんだっ廻さん！？やばくないですか！？応援してます！ (1月4日 13時) (レス) @page50 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ねねさん» 幸せなお話なので大丈夫なはず、、、という判断のもと今年もバリバリ更新していきます！🥲👍 (1月3日 19時) (レス) id: 9f81822037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2023年12月21日 14時
